◆今井悠也
ロボット・ドリームズ
ロボット、人生知りすぎ(いい意味で)。滂沱の涙を流しました。
悪は存在しない
「分かり合えなさ」に静かに対峙した、ナイフのような切れ味の作品。
Chime
キャリアのこの段階でなお、凶器のような映画を放つ、黒沢清監督が恐ろしい。
ナミビアの砂漠
若者の痛みを生々しく捉えた怪作。終盤の展開にも衝撃を受けた。
関心領域
唯一無二の絶望的な劇場体験。映画は映像と音とで作られていることを再認識。
宝島
パリ郊外のレジャー施設のひと夏を切り取った、幸福感に満ちた作品。
ストップ・メイキング・センス 4Kレストア
これまでDVDで何度見たかわからないが、ライブ映画の最高傑作の呼び声に違わぬ良さ。
悪魔と夜ふかし
いろいろ細かいツッコミどころはあれど、パワフルで楽しいホラーだった。
マッドマックス:フュリオサ
キャラクターの過剰さ、骨太なストーリー。久々にあの世界を堪能しました。
枯れ葉
前年末の公開ですが、カウリスマキ監督のストレートパンチに胸打たれました。
◆小島ともみ
ロボット・ドリームズ
もう無邪気な気持ちでSeptemberを聴けなくなった。情け容赦なく傷つけられてズタズタ。でも、何度も観てしまう映画になると思う。
陪審員2番
傑作。唯一欠点があるとするならば、スクリーンで観られなかったこと。でも、それは映画が悪いわけじゃない。
ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ
『さらば冬のかもめ』がオールタイムベストの自分には刺さりまくりでした。70年代の雰囲気も最高。音楽も良い!
ぼくのお日さま
しっかり傷つけられ、しっかり癒された。独りよがりではない一途な思いが、決して交わったり結びついたりしなくとも、いつか世界を包み込み、少しはマシな場所にしてくれそうな期待を抱かせてくれた。
ザ・バイクライダーズ
ドキュメンタリー風の乾いた雰囲気が哀愁を増すアウトローたちの物語に痺れまくり。トム/ハーディーの存在感よ!
ヒットマン
グレン・パウエルを愛でる映画と楽しげな雰囲気に呑まれて辿り着くラストのインパクトたるや。なんというくせ者。
侍タイムスリッパー
昭和のお正月映画的な人情味を盛り込んで、誰もが観たいドラマを下敷きに、締めるところはピリッと締める殺陣の良さ。時代劇を観た!という満足感。
インフィニティ・プール
大好きな小説『コカイン・ナイト』を思わせる、ミイラ取りがミイラになる展開。一度観たら脳裏に焼きつく強烈な映像、仕上がったミア・ゴス。おしゃれで、ちゃんとグロいのがいい。
オーメン:ザ・ファースト
前日譚としては完璧な出来の、ちゃんと繋がる物語。70年代の、今とは違う時代を描いておきながら、女性の身体をめぐる現代的問いも投げかける。悪魔誕生の立役者としてのラスボスの正体に、そうきたか……!とゾクゾク。
マッドマックス:フュリオサ
フューリーロード伝説に欠かせざるワンピース。あとは”Mad Max: The Wasteland”の登場を待つばかり。V8!V8!V8!V8!
◆鈴木隆子
ロボット・ドリームズ
何度も思い出し泣きしました。
SUPER HAPPY FOREVER
『BEYOND THE SEA』がかかる映画は良い映画。
パスト ライブス/再会
恋愛映画は観ないと決めている人に、これは大丈夫だからとおすすめしたい。
インフィニティ・プール
心の隙間に入り込んでくる悪い人って、どうやって見分ければいいのか・・・。
Here
少ないセリフの中で伝わる主人公の人柄に癒される。街の自然音が心地良い。
どうすればよかったか?
カメラに収め残そうと決めた監督の覚悟をしっかりと受け止めたい。
辰巳
葵役の森田想さんは個人的2024年最優秀女優賞。
胸騒ぎ
これ以上ない後味の悪さ(褒めてます)。リメイク版の『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』もおすすめ。
夜明けのすべて
誰かのことを理解しようとする姿勢が、押し付けがましくなく自然で、こういう世界が当たり前になればいいのにと思った。
ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ
ドキュメンタリーもセットでぜひご覧ください。
順不同です!ほかに侍タイムスリッパー、ルックバック、アイアム・ア・コメディアン、デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章、チャレンジャーズ、正義の行方、哀れなるものたち、マッドマックス:フュリオサ、などなど・・・
◆ながせ
夜明けのすべて
オールタイムベスト作品になってしまい、文句なしの1位です。普段あまり同じ作品を劇場で複数回見ることをしないのですが、この作品はできる限りスクリーンで観たいと思い、何度も劇場に足を運びました。光と影という、映画の存在そのものと物語が見事にリンクしているその美しさに何度みても感動します。映画という虚構の世界だからこそ、理想を描いていい、ということを正面からまっすぐにやってくれていて、本当に大好きな作品です。
SUPER HAPPY FOREVER
人と人の出会いとすれ違い、ときめきを描きながら、実は喪失の物語でもあり、せつなさに心が震えました。山本奈衣瑠さんが演じたヒロイン、凪ちゃんがあまりにも魅力的です!
メイ・ディセンバー ゆれる真実
ジュリアン・ムーアとナタリー・ポートマンの演技対決がすごい..! 中盤の鏡を使ったシーンなど面白い演出もたくさん。ラストの意地の悪さも好みでした。
ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ
大好きなポール・ジアマッティ×アレクサンダー・ペイン!! あがりにあがった期待をひょいっと超える大傑作で嬉しかったです。”学び”続ける人でありたいなと常々思うので、ハナム先生は嫌いになれず..。そして戦争を直接描かずとも傷つく人を深く静かに怒りをもって描いているその姿勢も好きなのです。
僕らの世界が交わるまで
ジェシー・アイゼンバーグの監督作。母と子の拗れた関係、(心が)幼すぎる息子と、しっかりものすぎて人の気持ちに気付けない母親。どちらの姿にも共感してしまい、苦笑いしながら見ました。ジュリアン・ムーア出演作品が2本目のランクイン笑
ロボット・ドリームズ
頭が痛くなるくらいに泣きました。表情豊かなドッグのしっぽがせつなくて…。ドッグが明らかに映画好きなところもグッときてしまいます。
Here
美しく、凛とした作品で心地よかった。同時期にバス・ドゥヴォス監督の前作『ゴースト・トロピック』も上映されていて、『ゴースト〜』も面白かったのですが(帰る手段をなくした中年の女性が夜道をひとりで歩き、なんとかして家に帰ろうとする話。設定が秀逸でした)、たしかに『Here』の方が洗練されている印象で、その見比べができたのも嬉しかったです。監督の次作が楽しみです。
ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー
映画がいかに女性を客体化してきたかということを、実際に該当するシーンを並べて説明するドキュメンタリー。この映画も、このシーンも..と、無自覚にそれを当然として受け入れていたことに気づき、ショックでした。でも、鑑賞して以降新しい映画の見方を少し獲得した気がしていて、とても重要な映画体験だったと感じています。
至福のレストラン/三つ星トロワグロ
美しい料理の数々と、その舞台裏。長尺も、ワイズマン作品はあいかわらずまったく飽きさせない。
Cloud クラウド
『蛇の道』も面白かったですが、豪華キャストが揃っても変わらない黒沢清ぶりが清々しくて、ワクワクしてしまいました。奥平大兼さんの謎の強さ、岡山天音さんのチョロさ(いずれも役) 最高でした。
◆パンフマン
夜明けのすべて
映画を普段あまり観ない人にも薦められる作品だと思ったし、勧めた。映画を普段からたくさん観ている人にもそうでない人も感動させられる作品はそう多くはない。
悪は存在しない
映画を普段あまり観ない人にも薦められる作品かどうかは微妙なところだけど、いざ観てみるといいと思う。
ツイスターズ
前作に対する思い入れが強くて、予告編を見ただけで泣きそうになっていた。
至福のレストラン/三つ星トロワグロ
いつものワイズマンというにはあまりにも贅沢な作品。
ダム・マネー ウォール街を狙え!
出来事から1年ちょっとで映画化ということに意義がある。
ストップ・メイキング・センス 4Kレストア
曲の順番とか程よく忘れていて、毎度新鮮な気持ちで楽しんでいます。
ゴンドラ
ロボット・ドリームズと続けて観ることになった。共通項があるとは全く知らずに。
犯罪都市 PUNISHMENT
今年公開された3作目の「犯罪都市 NO WAY OUT」と合わせて。際立って適当なシリーズもの。
Cloud クラウド
「蛇の道」「Chime」と観た中で一番好きだった。
チェイン・リアクションズ
もう既に語り尽くされたとも思えた『悪魔のいけにえ』を語りなおすという試みがリバイバル上映作品のパンフレット的な映画だった。
新作映画は100本くらい観て、新作パンフは150冊くらい購入しました。観られていない50冊分の映画はこれから順に見ていきますかね。
◆やしろ
夜明けのすべて
PMFとパニック障害の二人が互いに支え合いながらも、自分の生きる道を切り開いていくようすを三宅唱監督が優しいまなざしで描いていて、鑑賞後はじんわりと心に染み入る
オッペンハイマー
複数の時間軸が交錯する複雑な構成ながらも、混乱することなく人間ドラマをきっちりと描いてました。ノーランの一つの到達点とも思えますが、きっと本人はただの通過点としか思っていないのかもしれない。
正義の行方
飯塚事件の関係者インタビューを警察、弁護団、メディアと、よくぞここまでとった監督の執念が凄まじい。直近のニュースでも再審請求が取り上げられており、事件はまだ終わっていないのだと実感させられます。
悪は存在しない
石橋英子さんの音楽と作品の映像が見事にハマっており、笑える要素も随所にあったりで観ていて楽しい。その上で最後に突然訪れる衝撃の結末も含めて、個人的には2024年最大の問題作でもあると思う。
ルックバック
一度でも作り手の側に立ったことがある人なら刺さること間違いなし。観た後はあまりにも打ちのめされて、しばらく席を立つことができませんでした。
ソウルの春
終始緊張感あふれる一級のポリティカルサスペンスでした。韓国で起きた1979年の粛軍クーデターが題材なので、悲劇的な結末を迎えますが、こういう歴史の闇に向き合うことができる韓国映画界のタフさが羨ましくもあります。
ぼくのお日さま
とても静かで温かい映画でした。子供たちの無垢さがのちに残酷さにもつながってしまう、そういう危うさに対してもとても配慮があり、あらゆる人たちに対する思いやりが感じられてよかったです。
ジガルタンダ・ダブルX
周囲の評判がとても良いのでなんとなく観に行ったら、前半からは想像もできない後半の胸熱すぎる展開に撃ち抜かれました。こんなにも映画の力を強く信じている人たちがいるということに大感動。
ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ
このシリーズが毎回素晴らしいのは、ちさまひ二人の前に立ちふさがる敵がとにかく魅力的な点だと思います。少しでも彼女らの関係性が違っていたら、これまで倒してきた彼らみたいになっていたのかもなぁとしみじみと思いました。今回は特にシリアスとコメディのバランスが最高でした。
ロボット・ドリームズ
ドッグがあまりにも人間的すぎて、自分と重ねてしまいました。観てるこっちとしてはハッピーエンドではないかもしれないけど、それぞれが今隣に誰かがいる幸せを感じているなら、決して悪いことではないと思いました。
2024年の国内興行収入トップ10に洋画実写が0という事態…。10位内に入った作品は人気原作の映画化がほとんどなのをみるに、鑑賞料金が右肩上がりに高騰していくなか、安易に失敗できない気持ちになるのかなぁと。庶民の娯楽だったはずの映画が、気づいたら富裕層の娯楽に変化していたのを思い知らされました。そんな中でも、公開さえ危ぶまれたオッペンハイマーのような超大作がある一方、超低予算でつくられた侍タイムスリッパーのようなシンデレラストーリーがあったのは痛快でした。