映画パンフは宇宙だ!

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「2021年このパンフがすごい!」について語り合う座談会(後編)

映画パンフは宇宙だ!(PATU)のメンバーで、「2021年このパンフがすごい!」アンケートの募集結果や今年の映画パンフについて語り合う座談会の後編です!

前編はこちら

【2021年 映画パンフが作られなかった作品】

清水:『最後の決闘裁判』、『ジャングルクルーズ』、『パーフェクト・ケア』、『フリー・ガイ』などはパンフがなくて残念だったとアンケートで回答いただきました。制作背景を知りたかったという声がありました。

小島:映画パンフは宇宙だ!でパンフを作ってほしいということも書いていただきありがたいのですが、権利関係で難しいところがあります。皆さんどういう時にパンフがあったらいいと思われるんでしょうかね。細かい設定が載っているとかでしょうか。

<参考>パンフレットを購入する決め手アンケート

清水:アメコミ原作の作品や登場人物が多い映画だとパンフが活躍します。

小島:アメコミファンの方には当然のことでも、全然詳しくないけど楽しみたいって人にはパンフはあったほうがいいですよね。

清水:『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』は丁寧に登場するキャラクターが紹介されていてよかったです。

小島:パンフがなかった『フリー・ガイ』は知っていればニヤッとしてしまう小ネタがたくさんあったはずですが、結局わからなくてモヤモヤしてしまった部分もあって、アメリカでは当然なカルチャーやバックグランドを知っていればもっと楽しめたはずだと思いました。

清水:有名なゲーム配信者さんも出ていたらしいので、そういう紹介記事が読みたかったです。

今井:同じくゲームをモチーフとした『ピクセル』は元ネタを詳しく紹介したパンフがありましたね。関連作の紹介があれば作品そのものを深堀りできます。

:『最後の決闘裁判』は時代背景を知っていないと誤解してしまうところがありますね。時代劇が苦手な自分も予告編を見た時点で、パンフの必要性を感じてました。

小島:単純に錚々たる俳優さんたちが中世の格好をした写真がほしかったというのもあります(笑)。

ながせ:劇場に観に行った作品はやはりパンフが欲しいなと思うことが多いです。鑑賞後の昂った気持ちを何か形に残したくなる、作品のことをもっと知りたい、というのもあって。『ドント・ルック・アップ』はたしかパンフがないですよね。でも、配信で観たからか、パンフがないことにあまり違和感を覚えませんでした。

今井:パンフは「劇場のお土産」という要素が大きいのはありますね。

ながせ:それも年代によって感覚は違うんですかね。自分は当たり前だったんですが、今後は変わってくるのかなと思いました。

:基本的にはレビューサイトで高評価の作品がパンフの投票でも上位にランクインしている傾向はあります。作品は全然好きじゃないけど、パンフは好きだったというのはほとんどない気がします。

今井:作品を観てないけど、パンフだけ買ったのは実は結構あります(笑)。

:基本ネタバレしているので、買っても観ないと読めなくないですか?

今井:後から配信で観た時の副読本として、一応手元に置いておくという。

小島:私はネタバレが全然気にならないので読んじゃいます。

:『ボクたちは大人になれなかった』は配信と同時公開ですが、パンフがありました。日本映画だと外国映画より権利関係がはっきりしているのか、パンフが作られている傾向があります。

今井:Netflixオリジナルドラマ『全裸監督』のパンフ風のガイドブックが雑誌『BRUTUS』の付録になってました。Netflixも完全にパンフ文化を無視している訳ではないのかなと思いました。

小島:劇場公開はおまけだったような『パワー・オブ・ザ・ドッグ』はパンフがなくて残念でした。難しい内容もあるので、作品の説明を補った方がいい作品でした。

:Netflixでの配信が主だった『マリッジ・ストーリー』『アイリッシュマン』などもパンフがなくて残念という声は以前からありましたね。

キネマ旬報 2021年1月上・下旬合併号 No.1857
こちらの号で映画パンフは宇宙だ!は「アンケート Netflixも宇宙だ!」という企画で参加させていただきました。

【映画パンフを何冊購入しましたか?】

:購入冊数についても今回アンケートで回答いただきました。PATUメンバーの平均は46冊で、アンケートに回答いただいた方では53冊、両方の平均は51冊でした。メンバーの最大は100冊くらいが3人いました。アンケートでは最大で500冊購入された方がいて、その次の方が300冊という結果でした。

今井:ヘビーユーザーに母数が偏っている気もしますね(笑)

:もちろん1冊とかの方もいらっしゃいました。ブロガーのカミヤマさんはアトロクに出演された際に、昨年は333本鑑賞して、311冊購入されたとお話しされていました(2021年12月24日時点)。

清水:スゴイ!

:この数字だけで計算すると約93%の映画にはパンフが作られていることになります。一般社団法人日本映画製作者連盟の発表によると2021年は邦画490本、洋画469の合計959本の映画が公開されたようです。この割合を当てはめると年間890種類くらいのパンフが作られていることになりますが、全貌はわかりません。

★昨年500冊購入された方は山形にある映画カフェPlayground Cafe BOXさんです!現在約5,500冊もの映画パンフが棚に並んでいます!
https://www.instagram.com/p/CYf5U9CLIvP/

<参考>2020年1月の購入冊数

【パンフのサイズについて】

:昨年は『サイダーのように言葉が湧き上がる』が一番大きいパンフだったでしょうか。

清水:『サイダーのように言葉が湧き上がる』はカバンに入らなくて困ったという声もありましたけど、そういう持って帰り方もいいなと思いました。大きいと持ち運ぶのが少し大変ですよね(笑)。

今井:でも、それも素敵ですよね。あの人あれ見たんだなあ、とわかって、そういうふうにして、映画が広がっていくのもいいですね。

小島:近年のとても小さいのだとカセットくらいの大きさの『VIDEOPHOBIA』がありました。

:確かに小さかったです。2020年の映画でしたかね。

清水:「暮しの手帖」の元編集長の松浦弥太郎さんの旅にまつわるエッセイ集を映像化した『場所はいつも旅先だった』のパンフはパスポートと同じサイズです。

:こういう特徴的なパンフレットがあるのなら、作品内容に関わらず観に行こうという気になりますね。

【パンフの売り場にまつわるエピソード】

小島:シネマカリテさんはパンフの見本が見られる劇場さんです。大抵パンフは売り場の店員さんの後ろに並んでいる場合が多いですよね。昨年は新型コロナウイルスの影響で映画館になかなか行けない時期もあったので、並んでいるものを指して「ここからここまでください」と大人買いをしたこともあります。レイトショーがない時期には、必ず観る前に買っていました。

:カミヤマさんは品切れになる前に先にパンフだけ買ったものの、買ったことを忘れてしまってダブってしまったと話してました。

小島:それはあります(笑)!

ながせ:コロナの影響か見本がないところが増えたのかなという印象です。基本見てから買いたいので、シネコンでも見本を見せてもらえますか?と聞けば見せてもらえる所もあるのですが、今の時期は難しいかもです。渋谷のBunkamura ル・シネマでは紙に誰が寄稿しているかなど内容を全部書き出してくれていてとても助かります。

:それはとても親切ですね。やはり中身は気になりますもんね。ジャック&ベティさんの通販サイトではパンフの内容が書いてあるので便利です。

清水:Twitterで公式アカウントがこれから公開される作品のパンフを、パラパラとページをめくって紹介する動画もとても参考になります。

:パンフをグッズと一緒に販売している所もあればドリンクと一緒に売っている所もありますね。

今井:劇場の方が忙しそうにしていると声をかけるのが申し訳ない気持ちになります(笑)。

【メンバーが印象に残った寄稿】

:昨年のパンフに掲載されてた文章で印象に残ったものはありますか?。

浦田:『あのこは貴族』の小泉今日子さんのコラムが印象に残っています。

ながせ:作品に合った人選でしたね。

今井:小泉今日子さんはミニシアターブームの頃、川勝正幸さんと仲良しで色んな映画パンフで寄稿されていました。

小島:最近は大学の先生や専門家の方など、映画のジャンルから離れて色んな方が寄稿していますよね。深みが増していると思いました。

今井:『海辺の彼女たち』と『リトル・ガール』は読みごたえがあるパンフに選ばれていましたね。

ながせ:『偶然と想像』のパンフでは濱口監督とエリック・ロメール作品に携わってきたマリー・ステファンさんの対談が、作品の背景がわかって印象に残る内容でした。ロメール的な作品だなと思っていたのですが、制作に至ったきっかけなどここにヒントがあったのかと分かって、より作品が心に残りました。

【映画パンフは宇宙だ!への嬉しい要望】

清水:「Netflix発で劇場公開する映画は当然パンフがなくて悲しいので特集とかしてもらえたら嬉しいです。今年公開の『パーフェクト・ケア』(介護版アウトレイジとの声もある全員悪人映画です)はパンフが発売されなかったのでこちらも取り上げて欲しいです!」というリクエストや、「パンフレットを読んだり、紙の仕様やデザインの見せ方について話したり、考えを聞いたりできる機会が少ないので今後もご活躍を楽しみにしております」などのコメントをいただきました!

今井:嬉しいですね!

小島:映画パンフで卒業論文を書かれた大学生の方もいらっしゃいました。

:映画パンフの論文はまだ少ないので大変貴重です。

今井:コロナの関係もありますが、ここしばらくこうやって映画パンフ中心に話す時間がなかなかなかったので、今回の座談会は色々と発見がありました!

団体の出版物はストアーズで購入できます。↓
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(2022年1月16日、Zoomにて)

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