映画パンフは宇宙だ!

PROJECT

映画パンフは宇宙だ!メンバーが選ぶ2020年ベストパンフは?

◆高城あずさ(映画パンフは宇宙だ!主宰)

①ミッドサマー
②VIDEOPHOBIA
③37セカンズ
④ブックスマート 卒業前夜のパーティデビュー
⑤TENET テネット
⑥mid90s ミッドナインティーズ
⑦フード・ラック!食運
⑧82年生まれ、キム・ジヨン
⑨デッド・ドント・ダイ
⑩コケシ・セレナーデ

①2日で完売!という新たなパンフ伝説を打ち立てた大島依提亜さんデザイン。聖典「ルビ・ラダー」を模した紙には、8種類の型抜きが使われたそう!2020年映画パンフベスト
②熱量と呼応するかのごとく、3本のコラムの級数(文字サイズ)が小さくなっていく!
冨永監督はコラムの中で字数大幅オーバーを告白されています。
③シンプルな構成とデザインながら、作品がもつ強度の裏打ちとなる、資料価値の高い良作パンフ。
主演・佳山明さんとの出会いから、監督が作品をブラッシュアップしていく過程をプロダクションノートで確認できる。
④大島依提亜さんデザイン。
表紙はモリーバージョン(緑)とエイミーバージョン(ピンク)の2種類あり、まんまとやられた!『エイス・グレード』パンフのようなカスタマイズ感もたまらない。
⑤ノーランマニアの物理学者・山崎詩郎氏による順行・逆行解説が超分かりやすい!
……にもかかわらず、ノーランの公式見解ではない、の断り書きもまた味わい深い(笑)
⑥久々に劇場で“パンフ先“(本編の前にパンフだけ買う)をした作品!マガジン風。『WAVES』『燃ゆる女の肖像』なども手がける石井勇一さんデザイン。
⑦寺門ジモン監督が「食運」を掴むまでのエピソードが沁みる。土を舐めて米を究める旅の話
……などパワーワード満載!よしひろまさみちさんの「おいしい映画 古今東西」も読みどころです。
⑧丁寧な作りのパンフに感嘆!『あのこは貴族』(2月公開)の原作者でもある山内マリコさんも寄稿。
おそらく小説から入って映画を観た人も多いので、読み物としてのクオリティを意識したのではと思う。イラストも可愛い。
⑨大島依提亜さん3冊目(笑)このパンフの萌えポイントは、ジャームッシュ過去作のタイトルのフォントがトレースされているところ、
そして、ティルダさま専用のスチールページがあるところ!
⑩作品に惚れ込んだPATUメンバーが制作させていただいたパンフ。
松本監督と『横須賀綺譚』の大塚監督の対談はさることながら、個人的に大ファンである宇治茶監督の寄稿+絵が載っているのも宝物ポイント!

◆今井悠也(映画パンフは宇宙だ!副主宰)

①ミッドサマー
②海辺の映画館ーキネマの玉手箱
③TENET テネット

①各ページ異なる型抜きで本編に負けず劣らずの狂気を感じました。マストバイ!
②大林映画のパンフは毎回丁寧な作りで愛情満載。遺作もお見事!
③わけのわからない「時間逆行」の解説図解がしっかり載っていて助かりました。

◆岩似平汰(運営)

①架空OL日記
②ロマンスドール
③コンフィデンスマンJP プリンセス編
④15年後のラブソング
⑤とんかつDJアゲ太郎
⑥82年生まれ、キム・ジヨン
⑦滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie
⑧100日間のシンプルライフ

ベストは『架空OL日記』。デザイン会社・MARUCさんらしいスタイリッシュさと優しさ溢れるデザインに、表紙がプクッとしたエンボス加工のキャラクターたちの可愛らしさ。中見も、キャスト・スタッフインタビューといったメイキングページがしっかりあるだけでなく、キャスト対談や、本作の確信に迫ったいとうせいこうさんのレビューなど、よりネタバレに迫ったコーナーまで掲載(しかも紙質も変えている!)。編集者の丁寧さと、作品への愛を感じる、お客さんが買って間違いなく満足するパンフレットでした。

◆いそがい(PATU Fan × Zine vol.03:編集・校正)

①コロンバス
②ハニーボーイ
③ジョン・F・ドノヴァンの死と生
④行き止まりの世界に生まれて
⑤デッド・ドント・ダイ
⑥燃ゆる女の肖像
⑦mid90s ミッドナインティーズ
⑧WAVES/ウェイブス
⑨TENET テネット
⑩レイニー・デイ・イン・ニューヨーク

①無駄がなく選び抜かれたものだけ取り入れられ、作品に寄り添った完璧なパンフレット。作品の美しく静かな情熱が伝わってくる。
②使用している写真のセレクトやサイズ感含め、グラフィックデザインが最高に好き。
③グラフィックデザイン、質感、サイズ感、表紙、使われている写真のセレクト。
④ビンリュー監督とそのスケート仲間のエモーショナルなドキュメンタリー映画の背景として重要な要素である政治的局面や映像としては敢えて省いていたような説明的な部分を丁寧に補ってくれた。そして何よりも最高の映画だった。
⑤2色刷りページの色チョイス、ジャームッシュ監督へのインタビュー記事や監督の他作品と本作にまつわるトリビア紹介という構成。
⑥韓国版ポスターが素敵すぎてこれは越えられない、、、と思っていたので、表紙を見たときに異なるアプローチでデザインされていてグッときた。
⑦両面表紙でマガジンのような厚み、Mapやサントラ&劇中歌リスト。これで800円なんて、、、豪華すぎる。
⑧読んでるだけで、映像や音楽が脳内再生されそうな本作の躍動感やwavesが伝わってくる。
プレイリスト紹介ページにSpotifyのQRコードも掲載されている点もツボ。
⑨難解なだけにパンフによってだいぶスッキリ!熟読後にまたDVDで見たい。
⑩パンフ内に掲載されているポスターがとてもよい。ロケマップも掲載されているのでNY行く際は聖地巡礼したい。
※洋画に偏ってしまったが、「スパイの妻<劇場版> 」では本作で初めて映画音楽を手がけた長岡亮介氏のインタビュー記事も掲載されていて長岡ファンとしてテンションが上がった。

◆ウチダ(PATUFan×Zine vol.03:デザイン・PATUFan×Zine vol.04:デザイン)

①TENET テネット
②ブックスマート 卒業前夜のパーティデビュー
③はちどり
④レイニーデイ・イン・ニューヨーク
⑤おらおらでひとりいぐも
⑥グッバイ、リチャード!
⑦アルプススタンドのはしの方
⑧マティアス&マキシム
⑨燃ゆる女の肖像
⑩マーティン・エデン
選びきれなかったもの…『ハッピー・オールド・イヤー』『アングスト/不安』

①情報量の密度でぶっちぎりの1位。読んで理解するのに時間を要するのでその分、ずーっと楽しめるパンフ。デザインもスタイリッシュ。
パンフというよりもはや本て感じ。ずっと手元に置いておきたいパンフ。
②かわいいだけじゃなく、ノート型に徹した造本がページがめくりやすくてノンストレス。中の読み物も充実。
良いパンフレットとは、映画を観終わった後にさらに鑑賞者の世界観を広げてくれるものなのだと再認識。
③表紙の素晴らしさで3位推し。絶妙なトリミング&タイトルの位置。表紙の写真がとにかく良すぎる。

◆映女(PATU Fan × Zine vol.04:イラスト)

①私をくいとめて
②羅小黒戦記〜ぼくが選ぶ未来〜
③水曜日が消えた
④ブックスマート
⑤おらおらでひとりいぐも

◆林田学秋(子連れ狼わくわく大図鑑:編集長)

①劇場版 ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス
②男はつらいよ お帰り 寅さん
③ミッドウェイ

①表紙がキラキラで良い。ニュージェネレーションヒーローズスペシャル座談会のページが良い。ただしあと10ページくらい見たい。
②男はつらいよの歴史が全部詰まった素晴らしいパンフ。これで買い手がなかったら、私、稼業三年の患いと思って諦めます。
③表紙がカッコいい。当時の戦史が詳しく載っていて勉強になる。劇中写真もたくさん掲載されていてビジュアル的にも良い。
あと、個人的にエメリッヒが好き

◆浦田行進曲(PATU Fan × Zine vol.04:編集・校正・コケシ・セレナーデ:校正・子連れ狼わくわく大図鑑:校正)

①スキャンダル
②ジュディ 虹の彼方に
③ブックスマート 卒業前夜のパーティデビュー
④ワンダーウーマン1984

昨年出会った、(アジア系ではない)女性の俳優や監督のインタビュー記事がいわゆる「女言葉」で訳されていないパンフたち。
2月公開の①にて、シャーリーズ・セロンやニコール・キッドマンが「〜なのよ」、「〜だと思うわ」といった言葉遣いをしていないことに驚き、本作の内容に合わせた配慮だと感心した。
②は映画そのままに、デザイン、解説、エッセイいずれも誠実で美しい印象を受けたパンフ。こちらに記載されているレネーのインタビューもです・ます調。
③は公開初日から各館で売り切れが続出したと言われる、主人公2人の大学ノートをイメージしたとてつもなく可愛いデザインのパンフだが、インタビュー記事の文体を見て、こんなところまで風通しが良い……と映画の余韻とともに再度涙した。
キャラものであるがゆえ女言葉に訳されがちなアメコミ映画にてついに! と感動した④。私の中で映画自体の価値をも引き上げてくれた2020年ベストパンフ。

◆caho(WEBサイト運用)

①燃ゆる女の肖像
②mid90s ミッドナインティーズ
③ザ・ピーナッツバター・ファルコン
④ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

①表紙のデザインの美しさで即買い決定でした。ページ数も粋だなあ〜と!
②内容の濃さは勿論、雑誌のような場面写真ページが贅沢でした。
③とても好きな作品だったので、ページ数自体は少なかったけど内容が充実していてよかったです。表紙も可愛くて好きでした。
④持ち歩きたくなるパンフ!中身も実際のアメリカのノートのデザインになっているのが好きです。

◆小島ともみ(アリ・アスター短編解説読本:編集長・PATUFan×Zine vol.04:編集長・コケシセレナーデ:編集長)

①ミッドサマー
②ポゼッション
③セルゲイ・ロズニツァ〈群衆〉ドキュメンタリー3選
④VIDEOPHOBIA
⑤ストーリー・オブ・マイ・ライフ
⑥ドクター・ドリトル
⑦ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え
⑧バック・トゥ・ザ・フューチャー 公開35周年記念パンフレット
⑨フォードvs フェラーリ
⑩コケシ・セレナーデ

①デザインが映画の世界観にぴったり。入手困難な日本版ポスターを採録しているのもうれしい。
②40周年にして幻のUS 版との比較など、新しい内容を盛り込むなど、リバイバルなのに凝った内容に驚き。
③2020年読み応えナンバーワン。対談、コラム、どれをとっても本気が見える。
④サイズがかわいい。これもデザインが映画の世界観にぴったり。
⑤女性の物語であるというところに徹底的に寄り添い、丁寧につくられているところが良い。
⑥映画はイマイチだったが、もうひとりの主役たる動物をしっかり紹介しているところ、原作にもページを割いている点が良い
⑦シリーズ集大成にふさわしい内容。キアヌとアレックスのインタビューをメインに据えるなど、この作品を好きな人のツボを心得ている。
⑧辞典かというくらい充実の内容。吹替版を担当する声優へのインタビュー企画が面白い。
⑨2020 年度表紙ナンバーワン。真ん中の見開きでパッとレース場面が見えるところも素晴らしい。
⑩心血注いで作りました!

◆翔(映画パンフレットデータベース作成・PATU Fan × Zine vol.04:校正)

①ドロステのはてで僕ら
②TENET テネット
③フォードvsフェラーリ
④バック・トゥ・ザ・フューチャー 公開35周年記念パンフレット
⑤ようこそ映画音響の世界へ
⑥イップマン 完結
⑦羅小黒戦記〜ぼくが選ぶ未来〜
⑧ヴァイオレットエヴァーガーデン
⑨BURN THE WITCH

◆鈴木隆子(PATU Fan × Zine vol.02:編集・校正・PATU Fan × Zine vol.04:校正・コケシ・セレナーデ:校正)

①mid90s ミッドナインティーズ

①厚めの紙を使用したマガジン仕様の本パンフ。写真集さながらの美しいビジュアルコーナーが多めで嬉しい!
今も思い出したように取り出して眺めては、映画の世界に浸っています。

◆パンフマン(映画パンフレットデータベース作成)

①ミッドサマー
②15年後のラブソング
③彼らは生きていた
④82年生まれ、キム・ジヨン
⑤とんかつDJあげ太郎
⑥海底47m 古代マヤの死の迷宮
⑦浅田家!
⑧ハニーランド 永遠の谷
⑨ポゼッション
⑩CINEMA VELERIA VOL. 9

『ミッドサマー』は観る前に買って、観た後には売り切れていたのを憶えている。『15年後のラブソング』単なる使われた曲のプレイリストだけではなく、詳細な解説が載っているのが最高。『82年生まれ、キム・ジヨン』『とんかつDJあげ太郎』はデザイン。『彼らは生きていた』は一番安く400円で12ページだったが、中身は充実。このくらいの価格帯だと、今までパンフをあまり購入したことなかった人も買いやすいのかも。『海底47m 古代マヤの死の迷宮』はサメの研究者による戦い方やMAPの特集記事が面白かった。『浅田家!』は原作が写真集なので、それに合わせた作りになっているのが良い。『ハニーランド 永遠の谷』字幕翻訳者が寄稿していて、全ての字幕が掲載されているのが珍しい。『ポゼッション』は40周年HDリマスター版が公開時に制作された。他にもリマスター版として、旧作が公開された際にパンフが作られているのは嬉しい。「CINEMA VELERIA VOL.9」は好きなシリーズ。最新はフェリーニ特集で9冊目。

◆松嶋(コケシ・セレナーデ:校正)

①ミッドサマー
②TENET テネット
③VIDEOPHOBIA

デザイン、コンテンツ、変型で、それぞれ印象的だったものを選びました!劇場になかなか足が運びづらい2020年でしたが、おうち時間の中で作品の余韻を何度も反芻出来るような、濃い内容のパンフレットが多い一年でもあったなと思います。

◆屋代忠重(PATU Fan × Zine vol.02:編集長・PATU Fan × Zine vol.04:校正・コケシ・セレナーデ:校正)

①ミッドサマー
②TENET テネット
③T-34 レジェンド・オブ・ウォー ダイナミック完全版
④ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー
⑤ペイン・アンド・グローリー
⑥はちどり
⑦his
⑧mid90s ミッドナインティーズ
⑨羅小黒戦記〜ぼくが選ぶ未来〜
⑩アルプススタンドのはしの方

ここに書ききれないパンフも沢山ありますけど、パンフが作られなかったいい映画も沢山ありました。2021年はそんな映画達のパンフを作りたいです。

◆しょうこ(PATU Fan × Zine vol.04:翻訳)

①ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー
②mid90s ミッドナインティーズ
③WAVES/ウェイブス
④ミッドサマー

①表紙と中身の一部が違う2種類のパンフがあるので、パンフ好きはどちらも買ってしまうこと間違い無しだと思います。
②分厚くしっかりとした作りで、写真集のように大きなビジュアルページが多いところが魅力的です。90年代の出来事や流行ったモノなどの年表コーナーも、自身の思い出が蘇って懐かしくなりました。
③レコードのように棚の表に飾りたくなるほど、表紙の色合いが美しいです。音楽にこだわりのある映画だけあって、仕様楽曲について詳しく書かれていて良かったです。
④劇中に出てくる聖典をイメージしたデザインで、ばらつきのあるカットを施した紙など随所にこだわりが感じられます。恐ろしい内容の映画だけどパンフレットのビジュアルはとても可愛いです!!

◆あず(SNS運用)

①ミッドサマー
②WAVES/ウェイブス
③1917 命をかけた伝令
④ジョン・F・ドノヴァンの死と生
⑤STAND BY MEドラえもん2
⑥TENET テネット
⑦窮鼠はチーズの夢を見る
⑧mid90s ミッドナインティーズ
⑨アダムス・ファミリー
⑩82年生まれ、キム・ジョン
※③以降順不同

2020年は、例年と比べて劇場公開作品が少なかったからなぁ…と思い始めてからの選定でしたが、いやいや、そんな心配が吹き飛ぶくらい、素晴らしいパンフとたくさん出逢えた1年でした!いつも以上にデザイン性に富んだ(私が語れる立場じゃないですが…)パンフが多かったり、話題になり一時品薄状態になった作品など、嬉しい話題も多かった印象です。

◆八木(ヤギ)(コメディ特集ZINEミラクル:編集長)

①TENET テネット
②マティアス&マキシム
③mid90s ミッドナインティーズ
④ジョン・F・ドノヴァンの死と生
⑤WAVES/ウェイブス
⑥100日間のシンプルライフ
⑦ジョン・F・ドノヴァンの死と生
⑧グッバイ、リチャード!
⑨1917 命をかけた伝令
⑩ジョジョ・ラビット

『TENET テネット』パンフの赤青2色刷りのページが大好きです…!
ランキングに入れませんでしたが、『デット・ドント・ダイ』パンフの蛍光黄緑インキ刷りや、『天井桟敷の人々 4K修復版』パンフの表紙も好きです。

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