2023年12月に公開された映画のパンフレットをPATUメンバーが紹介します!
『ウィッシュ』
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表紙のキラキラ加工が美しいパンフは、中身も原画や制作過程がしっかり綴られており、大人向け(そもそも表紙のタイトルがカタカナではないところからもその意思を感じる)。主人公・アーシャはもちろん、スターや子ヤギのバレンティノなど、かわいい新キャラの誕生までの過程や、マグニフィコ王の天文台の全貌のデザインなど、画面には映らないところまで緻密で美しい、その裏側までを丁寧に追っている。字幕版を鑑賞したので、キャストは名前のクレジットだけでなく、吹替版同様のプロフィールなどが欲しかった。(ながせ)
発行日:2023年12月15日
発行者:大田圭ニ
編集:株式会社東宝ステラ
テキスト&翻訳:主水
デザイン:植田麗子 奥田ひさみ(TOHOマーケティング株式会社)
印刷:成旺印刷株式会社
価格:990円(税抜価格 900円)
『枯れ葉』
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おかえり、カウリスマキ!引退宣言から6年。カウリスマキが帰ってきた。パンフは前回までと同じく大島依提亜さんが手掛ける。うんうん、この感じ!カウリスマキ映画といえば犬!パンフではこの犬(名前は作品を見てのお楽しみ!)も一緒のカットがふんだんに使われている。固い表紙の中に冊子が入ったデザインも素敵。はしっこが折れやすいので綺麗に持って帰りたい方はなるべくサイズに近い袋をあらかじめ用意していくか、ショップで袋を購入することをおすすめします(失敗しました...涙)(ながせ)
発行日:2023年12月15日
発行所:ユーロスペース
発行人:堀越謙三
編集人:岡崎真紀子
取材協力 翻訳・通訳:遠藤悦郎
デザイン:大島依提亜
印刷所:株式会社アトミ
価格:900円(税込)
『ファースト・カウ』
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牛のミルクからつくるドーナツから始まる、2人の男たちのアメリカンドリームを描く作品。内容とかけて表紙には、雌牛がどんっ!と登場。そしてなんと牛の目が丸くくり抜かれている!中のテキストも大充実で、どこを切り取ってもかっこいい、惚れ惚れするパンフ。(ながせ)
発行日:2023年12月22日
発行承認:有限会社ロングライド
編集:森岡裕子[松竹]
デザイン:石井勇一[OTUA]
価格:1,000円(税抜価格 910円)
『ナポレオン』
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大判の正方形の版型に、表紙はキャンバス地のようなエンボス加工が施され、金色のホチキスで高級感を演出。ナポレオンの歴史について、作品を観るうえでの最低限の知識は本パンフで得ることができる。重要人物であるジョセフィーヌについては齋藤薫さんのレビューで確認を。(鈴木)
発行日:2023年12月1日
発行者:大田圭二
発行所:東宝株式会社ライツ事業部
発行権者:株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:有限会社ダイアローグ
印刷:成旺印刷株式会社
定価:880円(税込)
『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』
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THE RAMPAGEの三人をメインにした作品なので、カラー写真が満載。テキストも三人と監督のインタビュー、プロダクションノートとポイントは押さえているのでファンならずとも楽しめる。(やしろ)
発行日:2023年12月1日
編集:石川天翔(松竹)
デザイン:五十嵐貴子(ジョズエ)
印刷所:日商印刷株式会社
価格:1,000円(税込)
『市子』
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テキストはインタビューは監督、主演のインタビューとコラムも一本のみ。作品を時系列にまとめた年表が掲載されており、途中混乱した箇所の整理の助けになる。写真が多めなので、市子が死に物狂いで生きた証を辿ることができる。(やしろ)
発行日:2023年12月8日
編集:ハピネットファントム・スタジオ
デザイン:島田寛 本橋真由美(Bon)
印刷所:三映印刷株式会社
価格:900円(税込)
『VORTEX ヴォルテックス』
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パンフの表紙(と背表紙)は老夫婦それぞれが眠りについたショットが印象的なビジュアル。ガバっと開くと本編で用いられるスプリットスクリーン(画面において二つないしは複数に分割されて映される映像の表現技法)のようになります。建築映像作家の瀬尾憲司さんによる作品評では、瀬尾さんが本作を鑑賞して描いたという、老夫婦二人が暮らすアパルトマンの平面図も掲載されています。(しかまる。)
発行日:2023年12月8日
発行承認:株式会社シンカ
編集・発行:松竹株式会社 事業推進部
編集:神山和範、湯木久雄[松竹]
デザイン:成田祐人(SYNCA design)
定価:900円(税込)
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』
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原作「チョコレート工場の秘密」(ロアルド・ダール著)や関連作品を紹介するページは『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』をより楽しむためのガイドとなっています。そして、主演ティモシー・シャラメの魅力を徹底的に掘り下げたページはティミーのファンなら大きく頷いてしまうほど共感の連続。作中に登場するチョコレートの紹介もあり、どんな味か想像するだけで楽しくなる内容となっています。(しかまる。)
発行日:2023年12月8日
発行承認:ワーナー ブラザース ジャパン合同会社
編集・発行:松竹株式会社 事業推進部
編集:阿部寛子(松竹)
テキスト協力:牛津厚信(楽曲解説)
デザイン:五十嵐貴子(GIOSUÈ)
印刷:成旺印刷株式会社
定価:900円(税込)
『窓ぎわのトットちゃん』
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A5正方形の判型に設定資料がぎっしりと詰まっていて、これだけでもお腹いっぱいになれる。インタビューや鼎談、コラムに用語解説とテキストも大充実の一冊になっているので、観賞後のマストアイテム!(やしろ)
発行日:2023年12月8日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:奥田ひさみ(TOHOマーケティング株式会社)
印刷所:成旺印刷株式会社
価格:880円(税込)
編集協力:今西千鶴子(サクセスストーリー)
『最悪な子どもたち』
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インタビュー記事は監督の一本のみだが、各界の有識者コラムが4本ありどれもそれぞれの視点から作品を分析している。映画を撮影するというテーマの作品なので、洋画にしては珍しくシナリオが収録されているのには驚いた。(やしろ)
発行日:2023年12月9日
編集:マジックアワー
デザイン:岡野登(サイファ。)
価格:800円(税込)
編集協力:海田恭子
『ティル』
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洋画としては珍しくキャストインタビューが多く、出演者たちがこの作品と実際の事件に対してどう向き合ったかよくわかる。外部コラムも実際のエメット・ティル事件の背景解説や、作品解説も充実している。(やしろ)
発行日:2023年12月15日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:平塚寿江(東宝ステラ)
印刷所:成旺印刷株式会社
価格:880円(税込)
翻訳:武部由子
『屋根裏のラジャー』
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出演者とスタッフのインタビューが短いながらも多く掲載されている。A4の大型判型で中央の観音開きページをはじめ、作品の美しいビジュアルが多く、パンフサイズを最大限に活かしている。(やしろ)
発行日:2023年12月15日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:TOHOマーケティング株式会社
印刷所:株式会社久栄社
価格:880円(税込)
編集協力:橋本学
『赤い糸 輪廻のひみつ』
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インタビューこそないが、監督自身のHPコラムを翻訳、編集したページが読み応えあり。
外部コラムも2本であるが密度の濃い内容。作中で触れられている前世や来世の生まれ変わりも確認できるデザイン。(やしろ)
発行日:2023年12月22日
デザイン:成田祐人(SYNCA design)
価格:990円(税込)
『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』
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スリーブケースを外した瞬間から不穏な空気を放っている。石井さんのデザインに武田さんのイラストがばっちりハマって雰囲気◎!特に世界の憑依・降霊術紹介や呪物コレクター対談など、世界観に添った記事が面白い。(やしろ)
発行日:2023年12月22日
編集:川本奈七星(松竹)
デザイン:石井勇一、武田千織(OTUA)
印刷所:株式会社久栄社
価格:1,000円(税込)
『PERFECT DAYS』
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シンプルな装丁ですが、表紙のエンボス印刷や、木漏れ日がプリントされたトレーシングペーパーの中表紙など、ちょっとした遊び心が粋なパンフレット。内容は役所広司さんのインタビューのほか、田中泯さんの手記、本作の企画・プロデュースをした柳井康治さんと作家 川上未映子さんによるスペシャル対談など盛りだくさん。(しかまる。)
発行日:2023年12月22日
発行権者:MASTER MIND Ltd.
編集:高崎卓馬
デザイン:橋本尚太
印刷:大洋印刷
発行:ビターズ・エンド
定価:1,100円(税込)
『サンクスギビング』
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ホラー映画パンフは内容が薄くなりがちだが、本作はイーライ・ロスをはじめ、キャストインタビューも多めに掲載されており、コラムも3本とテキストが充実している。血みどろな作品の世界観に合わせて、ページのあちこちが血飛沫まみれなデザインも素敵。(やしろ)
発行日:2023年12月29日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:有限会社ダイアローグ
印刷所:成旺印刷株式会社
価格:880円(税込)
『エクソシスト 信じる者』
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REVIEWが一本載っているのだが、文字組みが謎な配置にされていて、意図されたものなのか分からず困惑した。大変長いプロダクションノートを読めば、何故このような作品が作られたのか理解できるかもしれない。(パ)
発行日:2023年12月1日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:平塚寿江(東宝ステラ)
印刷:成旺印刷株式会社
定価:880円(税込)
『ヘル・レイザー〈4K〉』
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パンフレットと全然関係ないのだが、以前待合室に本作の監督クライヴ・バーカーの文庫本が並んでいる病院に行ったことがあって、あまりにも場違いだし、待ち時間に読めるのかという問題もあるのだけど、そこでの医師の診断もおかしいし、そういった理由が重なって二度と行ってないのだけどあの文庫は今でも置いてあるのだろうか。病院は今でも健在。『エクソシスト 信じる者』と同じく高橋ヨシキ氏が作品の背景を担当している。(パ)
発行日:2023年12月8日
編集・発行:フリークスムービー、キングレコード
定価:1,000円(税込)
『ポトフ 美食家と料理人』
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リアルなレザーがプリントされた表紙に映画タイトルが箔押しされ、まるでレストランのメニューのような装丁。映画に登場する料理のレシピもたっぷり掲載されています。本作の料理監修を務めたのは、3つ星シェフとして名高い美食の巨匠ピエール・ガニェール氏。彼のもとで約20年間従事した赤坂洋介氏による料理の解説は読むだけで、あの美しい調理シーンの記憶が蘇ります。(しかまる。)
発行日:2023年12月15日
発行承認:ギャガ株式会社
編集・発行:松竹株式会社 事業推進部
編集:宮部さくや/神山和範(松竹)
デザイン:奥村香奈(ヒグラシデザイン)
定価:950円(税込)
『宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました』
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韓国映画としてなぜかベトナムで空前の大ヒットを記録、満を持して本邦公開という異例な作品。そんなドタバタのなかでパンフは制作されたのか、インタビューは皆無、プロダクションノートも最小限と物足りなさはあるが、在韓K-dramaライターのMisa氏のコラムで作品解説やキャストをバッチリフォロー。軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏の割とガチ目な視点からの解説が思いの外タメになって楽しい。(やしろ)
発行・編集:ツイン
発行日:2023年12月29日
デザイン:ヒノキモトシンゴ
価格:700円(税込)
『NOCEBO/ノセボ』
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監督の前作「ビバリウム」から更に進化した本作。パンフの冒頭から不穏極まりないノセボの説明(反偽薬効果のこと)から始まり、非常に詳細に解説してくれてる監督インタビューだけでなく、風間賢二氏によるホラー映画の文脈からの作品解説など、さすがツボを心得ている松竹クオリティ!(やしろ)
発行承認:株式会社クロックワークス
発行・編集:松竹株式会社 事業推進部
発行日:2023年12月29日
編集:石川天翔(松竹)
デザイン:郡司龍彦
価格:880円(税込)