2023年10月に公開された映画のパンフレットをPATUメンバーが紹介します!
『白鍵と黒鍵の間に』
表紙から中表紙の鍵盤が覗くデザインで裏表紙を開いた状態にすると、表紙と合わさってピアノ姿に様変わりする仕掛けが!カバーを開くとミニ写真集が前後に挟まれた作りとなっており、本文ページは赤金と銀の特色2C刷りで渋さが際立っています。文章は主演の池松壮亮さんのインタビュー、富永昌敬監督のエッセイのほか、編集者でありジャズ評論家の村井康司さんによる劇伴解説も掲載されています。(しかまる。)
発行日:2023年10月6日
発行:東京テアトル株式会社
編集:株式会社キネマ旬報社
編集協力:小口心平(TAIRA)
執筆協力:村山章
デザイン:石井勇一(OTUA)
印刷:株式会社久栄社
定価:950円(税込)
『アンダーカレント』
水の中に沈んでいくような作品の雰囲気を思い出せるような秀逸なデザイン。原作者の豊田徹也先生のコメントもちゃんと載っているのが良い。原作者のコメントがあるパンフはいい映画説を裏付ける。(やしろ)
発行日:2023年10月6日
編集:小川啓太(ムービーウォーカー)、望月麗奈(サンクレイオ翼)
デザイン:大島依提亜、中山隼人
印刷所:三映印刷株式会社
価格:900円(税込)
写真:木村和平
『イコライザー THE FINAL』
シリーズ最終作にふさわしいマッコールさんの流儀を解説しながら過去作を振り返るページが何気に秀逸。デンゼル・ワシントン、ダコタ・ファニングのインタビューを押さえつつ、外部コラムに【戦闘者】稲垣義貴氏という人選もナイス!(やしろ)
発行日:2023年10月6日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:山本廣臣(東京リスマチック株式会社)
印刷所:成旺印刷株式会社
価格:880円(税込)
編集協力:今西千鶴子(サクセスストーリー)
『オクス駅お化け』
タテ長の特殊な判型。監督キャストの対談、プロダクションノート、監督とプロデューサーの対談とぎっしりのテキストの間を縫うように写真もそこかしこに配置されている。コラムも朝倉加葉子監督という分かっている人選なのも良い。(やしろ)
発行日:2023年10月6日
編集:石川天翔(松竹)
デザイン:川上圭三(川上デザイン室)
価格:880円(税込)
『栗の森のものがたり』
作品の画が全てにおいて美しく決まっているので、掲載されている場面写真を眺めるだけでも楽しめる。本作の舞台となっている地方の民話が掲載されており、旧ユーゴ圏の専門である山﨑信一氏のコラムも併せて読んで、忘れらた村の御伽噺に思いを馳せるのも良い。(やしろ)
発行日:2023年10月7日
編集:クレプスキュール フィルム
デザイン:マーズ・クリエイション
価格:1,000円(税込)
『アアルト』
フィンランドを代表する建築家でデザイナーのアルヴァ・アアルトの人生を、彼の作品とともに巡るドキュメンタリー作品。映画にも登場する建築の写真や年表などしっかりとした資料が載っているのが嬉しい。本作は公私共にパートナーであったアイノと、アイノ亡き後に出会ったエリッサとの関係性にもスポットが当てられており、パンフレットでは字幕を監修した宇井久仁子さん寄稿のエッセイ「なぜ、フィンランドには女性建築家が多いのか」は必読です。(しかまる。)
発行日:2023年10月13日
発行:株式会社ドマ
デザイン:山田裕紀子
編集:古谷ゆう子、VALERIA 小倉聖子
編集協力:宇井久仁子
定価:1,000円(税込)
『宇宙探索編集部』
ムヴィオラさん配給のパンフだけに、内容がとても濃い。巻末の武井さんの熱のこもったメッセージは毎回唸ってしまう。コン・ダーシャン監督の来日記が読んでて楽しいのだが、読み取れる日程が9/24〜9/26!?…10/13公開なのに、パンフ制作をギリギリまで粘っていたムヴィオラさんの執念が相変わらず凄い。(やしろ)
発行日:2023年10月13日
編集:ムヴィオラ
デザイン:成瀬慧(restafilms)
価格:800円(税込)
『オペレーション・フォーチュン』
華やかなスパイアクション映画ならではの写真が中心。外部コラムも3本と充実しており、その中でも特にステイサム映画ライターでお馴染みのDIEsuke氏の溢れ出るステイサム愛を読むだけで「ああ……自分もステイサムになりてぇなあ……。」となることうけあい。(やしろ)
発行日:2023年10月13日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:飛田健吾(株式会社アンフィニ アイ グラフィックス)
印刷所:成旺印刷株式会社
価格:880円(税込)
『くるりのえいが』
デビュー時の3人体制で戻ってきたバンドのレコーディング風景の写真をたっぷり配している。メンバーコメントはもちろん、今回のレコーディングエンジニア濱野泰政氏のインタビューで映画には映っていない3人の素顔に迫っている。そしてこの3人を間近で見てきたであろう田中宗一郎氏のコラムが◎!(やしろ)
発行日:2023年10月13日
編集:石川ひろみ(ムービーウォーカー)
デザイン:服部一成
印刷所:株式会社北斗社
価格:1,200円(税込)
取材・文:村尾泰郎
『シック・オブ・マイセルフ』
作品に登場する薬品「リデクソル」のパッケージを再現した90年代のミニシアターブーム全盛期を彷彿とさせるようなデザインが最高!小谷元彦氏のコラムは肉体と美術を扱った映画を語るのには最適!(やしろ)
発行日:2023年10月13日
編集:山本ひなの
デザイン:大島依提亜、中山隼人
印刷所:三映印刷株式会社
価格:1,000円(税込)
『死霊館のシスター 呪いの秘密』
死霊館ユニバースに生まれた新たな自己承認欲求(モン)スター、シスターヴァラクを大解剖する一冊。考察!ヴァラクのタイトルで寄稿された2本のコラムが面白い。相馬学氏はユニバース内で描かれるヴァラク、田島篤史氏の学術的立場からのヴァラクという2つの側面から迫っている。(やしろ)
発行日:2023年10月13日
編集:川本奈七星(松竹)
デザイン:有吉美佐子(松竹)
印刷所:成旺印刷株式会社
価格:880円(税込)
『月』
大ボリュームのインタビュー記事。そして多数のコラムの中でも戸田真琴氏のレビューは必見!幾多の評論家に負けず劣らず、作中の弱者に寄り添う文章が素晴らしい。(やしろ)
発行日:2023年10月13日
編集:長井 龍
デザイン:中村友理子
印刷所:株式会社シナノパブリッシングプレス
価格:1,300円(税込)
『メドゥーサ デラックス』
ファッション雑誌のようなデザインが素晴らしい。井上エリ氏の寄稿は作品に対してファッションジャーナリストからの視点を与えてくれる。作中の頭皮剥ぎという猟奇性からか、氏家譲寿(ナマニク)氏の寄稿は意外だったが、しっかりサスペンス的観点から分析されている。(やしろ)
発行日:2023年10月吉日
編集:セテラ・インターナショナル
デザイン:石井勇一、武田千織(OTUA)
価格:1,000円(税込)
執筆協力:稲垣貴俊
翻訳協力:近田レイラ
『ヨーロッパ新世紀』
作品の歴史的背景があまりにも複雑すぎるので、その解説に全力を注いでいる。コラムも専門性の高い分野の人選で非常に好感が持てる。(やしろ)
発行日:2023年10月14日
編集:大竹久美子(テレザ)
デザイン:大寿美デザイン
価格:800円(税込)
『ザ・クリエイター/創造者』
監督インタビューとは別に監督の高らかなステイトメントが冒頭に掲載されている。AI研究の第一人者である栗原聡氏の寄稿はAIと人間の関係性を冷静に分析している。AIをモチーフにした映画らしく、ChatGPTによるAI映画ページなど面白い企画も。(やしろ)
発行日:2023年10月20日
編集:水野裕基
デザイン:飯田裕子
印刷所:成旺印刷株式会社
価格:880円(税込)
編集人:佐藤英樹
編集協力:望月麗奈(サンクレイオ翼)
校閲:入江恭子
『私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?』
洋画には珍しく、作品のダイアローグが掲載されており、文字で見てもおぞましい事件を追体験できる。監督のコメントを含むインタビュー記事の翻訳者のクレジットがあるのは◎。表紙と裏表紙に原題と邦題がそれぞれ配置されていて、どちらから読むのか一瞬戸惑う。(やしろ)
発行日:2023年10月20日
デザイン:鈴木 卓(豚)ボンジュール
価格:900円(税込)
編集協力:関口裕子、和氣道子/伊勢京子(アイズ)
『愛にイナズマ』
キャスト、スタッフのインタビューや対談がとにかく充実。そしてプロダクションノートの代わりに「はなこにっき」という名前で松岡茉優の撮影日誌が8ページに渡って掲載されているのが素晴らしい。(やしろ)
発行日:2023年10月27日
編集:株式会社キネマ旬報社
デザイン:島岡進(キネマ旬報社装幀室)
印刷所:株式会社北斗社
価格:950円(税込)
『SISU シス 不死身の男』
表紙からしてハイテンションなパンフレット。町山智浩氏や石野裕子氏の地に足のついた背景解説から、呂布カルマ氏のラップによる解説にコラボビジュアル、果ては邦題&宣伝ボツ案集まで映画宣伝のSISを感じた。(やしろ)
発行日:2023年10月27日
編集:望月麗奈 / サンクレイオ翼(株) (株)ハピネットファントム・スタジオ
デザイン:高尾裕司 渡辺信之 / 環七グラフィック(株)
印刷所:(株)二光
価格:900円(税込)
原稿協力:中谷祐介
『シアターキャンプ』
『ブック・スマート 卒業前夜のパーティーデビュー』に出演したモリー・ゴードンが初監督を務めた本作は、彼女やその仲間たちが通ったシアター・キャンプでの経験を映画に落とし込んだ傑作コメディ。サーチライト・ピクチャーズが配給権を獲得した本作は、お馴染みのマガジン形式パンフとなっています。内容は撮影秘話がたっぷり語られたスタッフインタビューのほか、演劇用語の解説、関連映画(やドラマ)の紹介もあり本作の理解がより深まる読み物が充実しています。(しかまる。)
発行日:2023年10月6日
発行・編集:株式会社ムービーウォーカー プラットフォーム事業部デジタル・コミュニケーション部
発行人:五十嵐淳之
編集:下田桃子、杉原苑子
編集協力:平井伊都子
校閲:入江恭子
デザイン:塚原敬史、岩間良平(trimdesign)
印刷:大洋印刷株式会社
定価:855円+税
『キリエのうた』
3時間くらいあるけど、まあいいかと軽い気持ちで観に行ったら…アイナ・ジ・エンドのファンと見受けられるお客さんが訪れて、鑑賞後がファンと思しき方々はパンフを求めて、劇場の売店に並んでいました。とある仕掛けやフェスのフライヤーなど楽しめるデザインのパンフです。(パ)
発行日:2023年10月13日
編集・文:大島美樹
テキスト協力:SYO
デザイン:石塚真央
印刷:三映印刷
定価:1,500円(税込)
『春画先生』
キャストの内野聖陽さん、北 香那さんのインタビューに加え、劇中に登場する春画の紹介、セット美術の解説も掲載。また、なぜ春画をテーマにした映画を作ろうと思ったのか、そのきっかけから本作ができるまでをプロデューサー小室直子さんが綴ったプロダクションノートから、この映画にかけた熱い想いが伝わってきます。(しかまる。)
発行日:2023年10月13日
編集・発行:株式会社ハピネットファントム・スタジオ
デザイン:Bon(島田寛、本橋真由美)
編集協力:森祐美子
印刷:三映印刷株式会社
定価:880円(税込)
『カンダハル 突破せよ』
アメリカ国防情報局職員の実体験をベースにした作品で、軍事アナリストの大久保義信さんによる中東勢力事情、キーワード集は映画をわからない部分を解説してくれるテキストなので必読です。(パ)
発行日:2023年10月20日
発行:株式会社クロックワークス
編集:岡本敦史
デザイン:株式会社サーティースリー/33 inc.
定価:900円(税込)
『北極百貨店のコンシェルジュさん』
パンフの表紙は、まるで動く絵本を観ているかのような映画の心温まるほんわかとした雰囲気が伝わる紙質。総勢19名のキャストインタビューだけでも大ボリューム!それに加えて、動物行動学者の新宅広二さん、元高島屋コンシェルジュの敷田正法さんなど本作を語るうえで欠かせない視点を与えてくれるコラムも掲載された大満足なパンフとなっています。(しかまる。)
発行日:2023年10月20日
編集:後藤悠里奈
デザイン:近藤ひろ、濵田
発行:アニプレックス
印刷:株式会社久栄社
定価:1,000円(税込)
『熱風!!南インド映画の世界』
南インドのテルグ語圏(テランガーナ州、アーンドラ・プラデーシュ州)を中心に製作された「プシュパ 覚醒」(21)、「サイラー ナラシムハー・レッディ 偉大なる反逆者」(19)、「ヤマドンガ」(07)、「マガディーラ 勇者転生<完全版>」(09)の4作品を特集上映。各作品解説のほか「プシュパ 覚醒」「ヤマドンガ」の製作プロデューサーインタビューがインド映画事情を知る上で参考になりました。(パ)
発行日:2023年10月20日
発行・編集:JAIHO
デザイン:ドラゴンフライ
定価:1,200円(税込)
『リゾートバイト』
昨年のベスト10作品に含めた『きさらぎ駅』に続く「ネット都市伝説3部作」の最終作となれば観るしかないということで、当然映画館に。岡山県笠岡市白石島のロケ地マップを見ながら、印象に残るシーンの数々を思いを馳せられます。(パ)
発行日:2023年10月20日
定価:990円(税込)
『ドミノ』
80ページくらいあるらしいとは聞いていて、どんなだろうと楽しみにしていた。劇場で受け取って、そうかそう来たかと納得。映画も同じ。個人的には作品とパンフの両方で年間ベストに加えたい作品でした!(パ)
発行日:2023年10月27日
編集・発行:松竹株式会社事業推進部
編集:石川天翔(松竹)
テキスト協力(ストーリー&キャラクター):神武団四郎
デザイン:中平一史[Viemo]
印刷:株式会社久栄社
定価:1,000円(税込)
『山形国際ドキュメンタリー映画祭2023 公式カタログ』
作品の概要やイベント、上映スケジュールが網羅された公式カタログは映画祭を楽しむ上であると便利です。フリーパスを購入すれば付いてきますが、単体でも入手可能。(パ)
発行日:2023年10月5日
編集・制作:株式会社創人舎
印刷:大場印刷株式会社
発行:認定NPO法人山形国際ドキュメンタリー映画祭
定価:1,200円(税込)
『野田真吉特集 モノと生の祝祭』
プログラム1「農村住宅改善」を観て驚愕。制作年の1941という数字を二度見するくらい驚いた。後から、建築映画館2023「建築メディアとしての日本映画」で上映されていたと思い出した。PR映画や記録映画の側面が強い人物かと思いきや、実験映画や児童映画、民俗映画といった顔を持ち、詩人や映画批評家としても筆を執っていた野田真吉。6人による論考、関連年表、野田自身による詩や貴重な資料の数々が本プログラムには載っています。
発行日:2023年10月2日
編集:田中晋平
編集協力:武本彩子
編集補助:中村莉菜
デザイン:竹内敦子[XS]
発行:認定NPO法人山形国際ドキュメンタリー映画祭
制作:山形国際ドキュメンタリー映画祭東京事務局
定価:1,500円(税込)
『二重の影3 映画を運ぶ人々』
2015年に「二重の影 映画が映画を映す時」と題し始まった映画をテーマにしたドキュメンタリーの特集。2019年には「映画と生の交差する場所」と副題が付けられ、今年は「映画を運ぶ人々」と題し、映画祭、映画サークル、レンタルビデオショップのほか映画の冒頭に出てくる警告文、ポスターやロビーカードで彩られた短編など多岐にわたるテーマの作品が並んだ。プログラムには過去の特集作品一覧も掲載。(パ)
発行日:2023年10月5日
発行:認定NPO法人山形国際ドキュメンタリー映画祭
制作:山形国際ドキュメンタリー映画祭東京事務局
発売:ソレリス書店
定価:1,000円(税込)