映画パンフは宇宙だ!

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2023年8月に公開された映画のパンフ!

2023年8月に公開された映画のパンフレットをPATUメンバーが紹介します!

『ジェーンとシャルロット』

前売り券を購入して心待ちにしていた本作。特典のポストカードも目当てのひとつだったが、額に入れて飾りたくなる素敵なデザインがパンフにも。掲載されているシャルロットと内田也哉子氏の対談はこれ以上ない人選。ジェーン・バーキンと樹木希林の対談も読んでみたかった。(ながせ)

発行日: 2023年8月4日
発行人・編集:沖田敦(リアリーライクフィルムズ)
デザイン・編集:内田美由紀(NORA DEPIGN)
本体価格:1,600円(税込)

『エドワード・ヤンの恋愛時代』4Kレストア版

タイトルの「恋」の字が少しはずれている遊び心あるロゴが印象的な表紙。このパンフを入手したいと思ったのは、濱口竜介監督による6ページにもわたる寄稿を読みたかったから。さらに温又柔氏の寄稿もたっぷり。本作がスクリーンで見られるだけでも嬉しいのに、贅沢な気持ちに。(ながせ)

発行日: 2023年8月18日
編集・発行:ビターズ・エンド
編集協力:大島美樹(シャントラパ)
デザイン:成瀬慧
印刷:三永印刷
本体価格:900円(税込)

『イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K』

韓国の巨匠イ・チャンドン。彼自身を追った新作ドキュメンタリーを含めたレトロスペクティヴを心から楽しみにしていた。まずはパンフが作られたことに喜びを覚えつつ、チェ・ウンソク氏によるコラムや仲野太賀がイ・チャンドン愛を語るコラムなど大充実のテキストに歓喜。過去作が1本ずつ丁寧に語られる解説にも大満足(書き手の選出も新鮮に思えた)。パンフ片手に全作制覇したいけれど、果たして何本見られるか。(ながせ)

発行日: 2023年8月25日
発行・編集:JAIHO
編集協力:岡本敦史
デザイン:ヒノキモトシンゴ
本体価格:1,500円(税込)

『オオカミの家』/『骨』

一見するとパンフの前半はカラフルでポップなデザインで可愛らしさ全開なのだが、インタビューやコラムに書かれているテキストは、コロニア・ディグニダに絡んだ歴史の暗部に切り込んで作品を読み解く不穏極まりない内容。パンフ後半になると、デザインも一変。醒めて欲しい、眠りたくないような不安になるデザインへと変貌する。同時上映の「骨」がポスター形式で付属しており、素敵なデザインだがテキストが非常に読みにくい(笑)パンフ右下のQRを読み込めばテキストだけのノートに飛べるのでご安心を!(やしろ)

発行日:2023年8月19日
編集:株式会社ザジフィルムズ
デザイン:塚本陽
価格:990円(税込)

『Gメン』

イエローの「G」マークが目立つパンフレットは、岸優太主演のヤンキー映画とは思えない、スッキリしたデザインに驚く。表紙裏には原作マンガがプリントされ、中面はしっかりカラフルで写真もいっぱい。平均年齢30歳の大人たちが演じた高校生の楽しそうな姿にグッときてしまう。(ながせ)

発行日: 2023年8月25日
発行・編集:(株)ムービーウォーカー
発行人:五十嵐淳之
編集人:佐藤英樹
編集:南里仁美
取材・文:遠藤薫
校閲:入江恭子
デザイン:吉川俊彰 須藤知華(PLAINS)
印刷:三映印刷(株)
販売:東映(株)商品事業部
本体価格:980円(税込)

『あしたの少女』

監督やぺ・ドゥナのインタビューからも、作品で描かれてる社会問題に対する怒りがひしひしと伝わってくる。その怒りの背景となる問題を、児玉美月氏、成川彩氏のボリュームある寄稿でしっかり解説してくれている。これを読むとそう遠くない未来の日本を見ているようで薄寒ささえ感じる。(やしろ)

発行日:2023年8月25日
デザイン:楠萌
価格:1,000円(税込)
ライター:高橋諭治

『マイ・エレメント』

外部コラムはないが日本語吹き替えキャストのコメント、原語版の監督コメント付きのキャスト紹介に加え、監督インタビュー、プロダクションノートとテキストは充実している。アート面もコンセプトアートや劇中の美しい場面写真と絡む堅実な構成。(やしろ)

発行日:2023年8月4日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:丸山綾(TOHOマーケティング株式会社)
印刷所:成旺印刷株式会社
価格:880円(税込)
翻訳:武部由子

『君たちはどう生きるか』

一切の宣伝をしない前代未聞の作品のパンフなので、フォローが手厚いかと言えば、ほぼ場面写真のみで構成されており、パンフ制作サイドも相当な苦労があったのだろうなと思われる。(やしろ)

発行日:2023年8月11日
制作進行:株式会社東宝ステラ
デザイン:矢島洋(TOHOマーケティング株式会社)
印刷所:成旺印刷株式会社
価格:820円(税込)

『さよならエリュマントス』

昨年の「グレーンバレット」に続くミスマガジンの顔見世映画のパンフとしてよくできている。外部コラムがない代わりに、森直人氏×タカハシヒョウリ氏の対談や、大橋裕之氏のマンガなど他のお楽しみ様子も充実。(やしろ)

発行日:2023年8月11日
編集:直井卓俊(SPOTTED PRODUCTIONS)
デザイン:鈴木規子、寺澤圭太郎
価格:1200円(税込)
スチール:伊藤奨
特別協力:ミスマガジン事務局、日本野球機構

『ソウルに帰る』

監督インタビューでかなり作品解説がされていて、これだけでも理解の助けになるが、西森路代氏、児玉美月氏のコラムも作品の背景にも言及されており、フレディのあまりにもパワフルな生き方に戸惑った人たちも納得の内容。(やしろ)

発行日:2023年8月11日
編集:イーニッド・フィルム
デザイン:中村友理子
価格:900円(税込)

『ミンナのウタ』

先述の「さよならエリュマントス」同様、アイドルの顔見世要素が強い作品なので(内容は素晴らしいホラーです)、パンフも前半は無難な内容なのだが、中盤のプロダクションノートから面白さが急上昇する。特に監督×脚本×ホラー担当の鼎談が読み応え抜群!さらにさな役の穂紫朋子と母親役の山川真理果の対談も面白い。巻末に掲載された本作の新聞広告風のアートも楽しい。(やしろ)

発行日:2023年8月11日
編集:石川天翔、湯木久雄(松竹)
デザイン:中平一史(Viemo)
印刷所:株式会社久栄社
価格:900円(税込)
取材・文/永田よしのり

『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』

劇中の解剖シーンのごとくパッカーンと開く特製カバーは、外側の真っ白な紙と内側のグロテスクな赤のコントラストが美しい!誰がなんと言おうと今年のパンフアイデア賞1位に決定です。監督・キャストのインタビューだけでなく、クローネンバーグ作品の門を開いた者たちを引き摺り込む、過去作紹介&トリビアを収録したページも!背表紙に描かれた心臓のイラストがグロス加工で立体的に仕上がっているのが個人的なお気に入りポイント。(しかまる。)

発行日:2023年8月18日
発行:クロックワークス
編集:山本ひなの(クロックワークス)
デザイン:岡野登(Cipher.)
印刷:三永印刷株式会社
定価:1,200円(税込)

『クロムスカル リターンズ』

監督が故人となった10年以上前の作品のパンフをどうするのか?という問題を、前作はクロムスカル役のニック・プリンシピのインタビューという離れ業をやってのけたが、今回はナマニク氏のレビューのみとなってしまった。しかし、何がなんでもパンフは必ず出すというエクストリームの気概は相変わらず見事。(やしろ)

発行日:2023年8月18日
編集:伊藤拓希(CYZO.inc)
デザイン:星野和子(エクストリーム)
価格:800円(税込)

『SAND LAND』

A4タテの大きめなサイズにスタッフインタビューとコンテや作画設定集をたっぷり配置しており、設定資料集としても優秀な内容。何より原作の鳥山明先生のインタビューも掲載されているのが、作品の質を担保してくれて心強い。(やしろ)

発行日:2023年8月18日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:株式会社FILM
印刷所:大洋印刷株式会社
価格:880円(税込)
取材&文:渡辺水央

『野球どアホウ未亡人』

こちらもA4タテの大サイズにキャスト、スタッフインタビューを満載している。(作品のインパクトが強すぎて)劇中のどこで登場したかもよく覚えてないデザイン、アートワークまで充実している。何より表紙デザインが某野球漫画を彷彿とさせるデザインなのがたまらない。(やしろ)

発行日:2023年8月18日
デザイン⚾︎米岡秀宣⚾︎小野峻志
価格:1000円(税込)
構成⚾︎堀雄人⚾︎小野峻志
スチール⚾︎ojo
制作⚾︎カブ研究会

『君は行く先を知らない』

パナー・パナヒ監督の長編デビュー作を監督インタビューや外部寄稿などで詳しく解説している。特に中村菜穂氏とケイワン・アブドリ氏のコラムは必読。作品ではあまり明確にしていない部分、さらにはイランの社会背景や劇中にかかる曲も解説しており、思わず膝を打つ会心の内容。(やしろ)

発行日:2023年8月25日
編集:石川天翔(松竹)
デザイン:五十嵐貴子(ジョズエ)
価格:880円(税込)

『ファルコン・レイク』

この残酷なまでに甘酸っぱい青春恋愛映画を監督インタビューや山崎まどか氏のコラムが丁寧に紐解いてくれる。そして原作の「年上のひと」を翻訳者である原正人氏が解説。バンド・デシネとは何か?から原作と映画を繋ぐ貴重な内容になっている。おかげで原作が読みたくなった。(やしろ)

発行日:2023年8月25日
編集:星安寿沙(SUNDAE)
デザイン:成瀬慧(restafilms)
印刷所:三映印刷
価格:880円(税込)

『MEG ザ・モンスターズ2』

メグとステイサムの紹介記事は彼らの魅力がこれでもかと溢れ出ている。コラムの寄稿者が切通理作氏なので、これは怪獣映画という認識なんだなぁと感心した。(やしろ)

発行日:2023年8月25日
編集:湯木久雄、石川天翔[松竹]
デザイン:伊藤正治
印刷:日商印刷株式会社
価格:880円(税込)

『ミャンマー・ダイアリーズ』

圧政下のミャンマーにおける市民たちの日常を、匿名の映画監督たちが制作した短編作品とSNSに投稿された一般市民による記録映像を合わせたドキュメンタリー。SNS上で見たことのある映像も混じっていたが、スクリーン上で観ると印象が変わった。このパンフレットがメディアの代わりにミャンマーの今を余すところなく伝えている。中でもミャンマーの映画業界の記事が興味深かった。編集後記ではパンフレットが参考文献とも言えるくらい文字で溢れるようになった制作過程が書かれている。(パ)

発行日:2023年8月5日
発行:株式会社E.x.N(エクスン)
編集:渡邉一孝+編集研究所
デザイン:村松道代
定価:1,000円(税込)

『バービー』

キラキラなラメ加工の表紙がキュート!バービーランドで暮らす様々なバービーとケンを演じたキャストのインタビュー&コメントをたっぷりと掲載!グレタ・ガーウィグ、マーゴット・ロビーのインタビュー内容は、もう少し核心に触れたものを期待していただけに少し残念だったが、美術のサラ・グリーンウッド、ヘアメイクのイヴァナ・プリモラックによる撮影時のこだわりポイントの解説はとても面白い。(しかまる。)

発行日:2023年8月11日
発行承認:ワーナー ブラザース ジャパン合同会社
編集・発行:松竹株式会社 事業推進部
編集:川本奈七星[松竹]
デザイン:須藤知華[PLAINS]
印刷:株式会社久栄社
定価:900円(税込)

『明ける夜に』

田辺・弁慶映画祭の受賞作品を上映する「田辺・弁慶映画祭セレクション2023」にて劇場公開された本作のパンフレットは、出演者と監督の座談会や撮影、録音・整音を担当したスタッフのこだわりを語るページなど身内感の濃い内容となっている。そして、シナリオを抜粋したページはまさかの台本そのものをスキャンした画像を使うという大胆さに驚かされる。欲を言うならば、もう少し表紙の紙が厚い方が良かった。(しかまる。)

発行:『明ける夜に』製作委員会
デザイン:近藤賢太郎
定価:1,000円(税込)

『ウルリケ・オッティンガー ベルリン三部作』

「ベルリン三部作」と呼ばれる『アル中女の肖像』(79)、『フリーク・オルランド』(81)、『タブロイド紙が映したドリアン・グレイ』(84)の劇場上映に合わせて作られたパンフレット。3作品の解説、監督のフィルモグラフィーなど基本情報はもちろん、ファスビンダーやシュレーターなどニュー・ジャーマン・シネマを牽引した監督たちとの交流などについて語ったインタビューも掲載。(しかまる。)

発行日:2023年8月19日
編集・発行:プンクテ合同会社
デザイン:成瀬慧
定価:1,200円(税込)

『エリザベート1878』

ヨーロッパ宮廷随一と謳われた美貌の持ち主、オーストリア皇后エリザベート。王室のしきたりに馴染めず自由奔放に振る舞う彼女が中指を突き立てる姿が衝撃的なメインビジュアルが表紙を飾る。史実とフィクションをうまく織り交ぜ描かれた本作のパンフは、人物相関図や年表などの詳しい資料で歴史的背景を補完してくれる。また、史実と異なる部分やエリザベートを題材にした他の映画やドラマとの違いなどを知ることができる読み物も充実。(しかまる。)

発行日:2023年8月25日
発行:トランスフォーマー、シネマライズ、ミモザフィルムズ
編集:大堀知広、掛川あづみ(ミモザフィルムズ)
デザイン:大寿美デザイン
定価:1,000円(税込)

『炎上する君』

もう感動シネマアワード作品お馴染みの、台本風の表紙に全ページ袋とじフォトブックとなっている。シリーズの他作品に比べ、上映時間が圧倒的に短いので、内容はどうなんだろうと心配したが全くの杞憂。もちろん2冊買はマスト!(やしろ)

発行日:2023年8月4日
編集:菊地陽介
デザイン:石井勇一、武田千織(OTUA)
価格:1,200円(税込)
編集協力:折田侑駿

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