映画パンフは宇宙だ!

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2023年4月に公開された映画のパンフ!

2023年4月に公開された映画のパンフレットをPATUメンバーが紹介します!

『AIR/エア』

結構大きめの正方形の判型。マイケル・ジョーダンが所属していたシカゴ・ブルズのチームカラーがベースになっている紙面デザインにも注目。作品世界をよく知るためのスペシャルガイドとして、丸屋九兵衛さんのマイケル・ジョーダンについてのコラム、スニーカーの歴史を知るためのatmosディレクターの小島奉文さんインタビュー、長谷川町蔵さんによるNBAの仕組みやスポーツ関連企業の豆知識、1980年代のカルチャーやファッション、劇中歌の解説と、作品を観たあとに知りたくなることを全方位でカバーしている。(鈴木)

発行日:2023年4月7日
発行承認:ワーナー ブラザーズ ジャパン合同会社
編集・発行:松竹株式会社 事業推進部
編集:川本奈七星、佐田沙彩花(松竹)
デザイン:岡野登(Cipher.)
印刷:株式会社久栄社
価格:880円(税抜価格800円)

『ザ・ホエール』

表紙・裏表紙はまるでキャンバスに絵を描いたようなインクの手触りが感じられる美しさ。(描かれている絵にも心動かされます。)監督と主演のブレンダン・フレイザーのインタビューに加えて、他メインキャスト2名のコメントの掲載もあり、プロダクションノートも充実の内容。堀内正規さんの寄稿、必読です。(caho)

発行日:2023年4月7日
発行者:大田圭二
発行所:東宝株式会社映像事業部
発行権者:株式会社キノフィルムズ
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:PLAINS
印刷:日商印刷株式会社
定価:880円(税込)

「シャンタル・アケルマン映画祭2023」

昨年開催されたシャンタル・アケルマン映画祭には参加しそびれていたため、パンフの有無も追えていなかったが、今回は公式パンフが用意されているとのことで、張り切って購入。さながらユリイカのような文字量の多いパンフは、ここ最近の中で読物として群を抜いて面白かった。秦早穂子氏から児玉美月氏まで、書き手の人選にも時を超えていまふたたび注目が集まるシャンタル・アケルマンの作家性も表れているように思えて興味深い(ながせ)

発行日:2023年4月7日
定価:1,300円(税込)
発行:マーメイドフィルム
編集:小倉聖子、小瀧萌香、佐向大
編集協力:遠山純生
写真協力:魚住桜子
デザイン:中野香

『search/#サーチ2』

前作(直接的な話の繋がりはないが)のパンフからデザイン担当者は変わっているものの、同様にPCやチャットアプリの画面が施されたレイアウトに。全編PC画面による「スクリーンライフ」という形式でなおかつ何か事件が発生した際の「一体警察は何しているんだ問題」も解決している傑作でした!(パ)

発行日:2023年4月14日
編集:株式会社東宝ステラ
編集協力:今西千鶴子(サクセスストーリー)
デザイン:ダイアローグ
​​印刷所:成旺印刷株式会社
定価:880円(税込)

『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』

くまのぬいぐるみを思わせる色と紙質、タグ(ぬいぐるみのしっぽあたりについていそうなタグ!)と表紙のデザインが印象的なパンフ。中面のカラー部分の写真も、キャストよりぬいぐるみの占める面積が多いのが面白い。実は、本編では表紙からイメージするいわゆる"茶色いくまのぬいぐるみ"はほとんど登場しない。主人公が生み出す"おばけちゃん"をはじめ、印象的に登場するぬいぐるみがほぼ白っぽい色をしているのは、繰り返し登場する「ぬいぐるみを洗う」という行為の表現(をわかりやすくすること)に起因しているのか、気になるところ。(ながせ)

発行日:2023年4月7日
定価:1,000円(税込)
デザイン:大島依提亜、中山隼人
発行:合同会社イハフィルムズ

『午前4時にパリの夜は明ける』

あのシャルロット・ゲンズブールとエマニュエル・べアールの共演なんて!と楽しみにしていた本作。意外にも?どこか昔のべアールを思わせる、ノエ・アビタ演じる少女タルラに夢中になった鑑賞後パンフを開き、宮代大嗣氏によるエッセイに大きく頷いた。劇中登場する作品のいくつかに興奮した映画ファンも少なくないはずだが、小さいながらそれらの作品をまとめてあるパンフの一角に、また沸いてしまうのである(ながせ)

発行日:2023年4月21日
発行:ビターズ・エンド
デザイン:大和美幸(Takuu tuore.inc.)
印刷:三永印刷
編集:ビターズ・エンド
定価:800円(税込)

『レッド・ロケット』

ポップな色づかいで、所々にドーナッツとストロベリーのイラストも散りばめられたかわいいデザイン。はちゃめちゃな登場人物の背景にあるアメリカの現実について解説してくれている前嶋和弘さんのコラム等寄稿も充実。(caho)

発行日:2023年4月21日
発行:トランスフォーマー
編集:トランスフォーマー、ON VACATION
デザイン:潟見陽
定価:800円(税込)

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』

キャストインタビューでオリジナルと日本語吹替の両方を収録してくれているがありがたい。世界的キャラクターのマリオなだけに、プロダクションノートも4ページに文字がギッチリ詰まった充実の内容。できれば映画に登場する膨大なイースターエッグも掲載してくれると嬉しかった。(やしろ)

発行日:2023年4月28日
編集:東宝ステラ
デザイン:渡辺菜生、佐々木志帆(gratan)
印刷所:株式会社久栄社
価格:880円(税込)

『ダークグラス』

高橋ヨシキ氏、平山夢明氏、吉本ばなな氏という間違い寄稿陣に加え、アルジェント研究会代表・県立広島大学教授の矢澤利弘氏まで加わっている鉄壁の人選。宣伝ではゼイリブ的なビジュアルだったが、パンフ内ではサスペリア的なビジュアルが掲載されており、それを見るだけでも買う価値はあり。(やしろ)

発行日:2023年4月7日
編集:有限会社ロングライド
デザイン:五十嵐貴子
価格:880円(税込)
P12,13デザイン:塚本陽

『ノック 終末の訪問者』

穴あきの表紙、バラバラなサイズのクレジット表記が作品の不穏さをうまく表現している。
稲垣貴俊氏の寄稿は原作小説と元ネタのヨハネの黙示録から分析しており、村山章氏によるコラムはシャマラン監督の過去作から読み解く内容となっており、一見では「???」となってしまいがちな本作の理解の助けになる。(やしろ)

発行日:2023年4月7日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:林田龍典(株式会社gratan)
印刷所:日商印刷株式会社
価格:880円(税込)

『パリタクシー』

作中で訪れた場所をマップにしてもらえたのは大変嬉しい。
酒井順子氏と浅野素女氏のコラムは、マドレーヌが戦い続けた男尊女卑が蔓延っていた当時のフランスの社会背景を解説していて、これを読めば作品の更なる深みが味わえるようになっている。(やしろ)

発行日:2023年4月7日
編集:阿部寛子、宮部さくや(松竹)
デザイン:山田裕紀子
価格:880円(税込)

『聖地には蜘蛛が巣を張る』

イランで実際に起こった事件を忠実に再現した本作。パンフでは監督・キャストのインタビューのほか、イランの現実をジャーナリスト視点で語るコラムや、着想の源となった事件の分析、イランの映画業界についてと内容の充実さが素晴らしい。また購入時に表紙に傷がつかないように紙のカバーがかけられており、パンフ愛を感じた。(machi)

発行日:2023年4月14日
発行承認:ギャガ株式会社
編集・発行:松竹株式会社 事業推進部
編集:岩田康平(松竹)
テキスト協力:中村明美(インタビュー/メフディ・バジェスタニ、ザーラ・アミール・エブラヒミ)、ケイワン・アブドリ、小松崎史子
デザイン:川上圭三(川上デザイン室)
印刷:成旺印刷株式会社
定価:1,000円

『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』

ファンには嬉しい映画のメインビジュアルが使われた両面ポスター付き。近年のパンフであったキャラクターへのインタビューを期待していたものの、今回はなかったのが少し残念。声優・スタッフ陣が語る気合いと熱い思いから、今作がコナン映画史上最大ヒットを獲得したのも頷ける。(松嶋)

発行日:2023年4月14日
発行者:大田圭二
発行所:東宝株式会社映像事業部
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:石井靖(ビラコチャ)
印刷:成旺印刷株式会社
定価:880円(税込)

『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』

インタビューが監督、名キャストの5人と大変に充実している。さらにサメ映画ルーキー氏によるサメ映画のデータあれこれは、「キラーカブトガニ」によってサメの時代が終わるどころか、これからも盛り上がることを見せつける内容となっている。(やしろ)

編集:廣木 淳
デザイン:星野和子(株式会社サイゾー)
価格:1,000円(税込)

『上飯田の話』

パンフレットではなく、非公式ZINEと銘打たれて販売されている本誌。特に依頼されてはいないけど、どうせなら冊子を作ろうと、執筆者を募り制作されたとのこと。作品のレビュー形式だったり、執筆者自身の経験と作品を重ね合わせて綴られている文章だったり、形式は様々で自由度が感じられるところや、よく見ると揺れているようなテキストボックスのデザインなどが本作を観て受ける印象と通ずる。(鈴木)

価格:500円(税込)

『ヴィレッジ』

監督、キャストインタビューだけでなく、パンフレットでは珍しい、本作の撮影終了後に亡くなった河村光庸プロデューサーのメッセージやフィルモグラフィが掲載されている。それ以外にも松崎健夫氏が「邯鄲」を軸に作品の中で描かれるムラ社会や、人物の描写を解説しているのが素晴らしい。(やしろ)

発行日:2023年4月21日
編集:高瀬佐知子(ムービーウォーカー)、望月麗奈(サンクレイオ翼)
デザイン:島田 寛、本橋真由美(Bon)
印刷所:三映印刷(株)
価格:880円(税込)
テキスト協力:那須千里

『高速道路家族』

テキストではインタビュー記事はなく、プロダクションノート以外はキャスト紹介や著名人コメントなどが中心。巻末に掲載されているエンディング曲の歌詞は、映画の本質を丁寧に描き出しており、パンフ全体に載っている家族のスチールと併せて見ると作品の余韻にいつまでも浸れそう。(やしろ)

編集:AMGエンタテインメント
デザイン:柳田友紀子(arms)
価格:700円(税込)

『ヒットマン・ロイヤー』

インタビューや脚本など掲載されているが、どちらかと言えばテキストよりも写真が多く掲載されており、キャストのファンなら満足な内容。(やしろ)

発行日:2023年4月21日
編集:クロックワークス
デザイン:ドラゴンフライ
価格:1000円(税込)

『J005311』

とにかくまずは主演二人の対談インタビューを読んで欲しい。制作に至った経緯や心境、ギリギリの中で生まれた爆発的な化学変化、二人がどれだけこの映画に賭けていたかが如実に伝わってくる。そしてプロダクションノートはこれまで読んだどのパンフよりも、あまりのリアリティにヒリつくこと間違いなし。タイトルが何を意味しているか分からない人は、調べる事をせずにパンフを買って、ぜひそこで知って欲しい。(やしろ)

発行日:2023年4月22日
編集:太秦株式会社(佐藤美侑)
デザイン:株式会社100KG

『独裁者たちのとき』

ソクーロフの独裁者を描いた映画の総決算ともいうべき本作のパンフ。本作に登場する4人の人物の経歴紹介が、もはや歴史の教科書になっている。それを解説する四方田犬彦氏のコラムや、蜷川有紀氏の『神曲』と絡めた分析が興味深い。梶山祐治氏の5ページにわたる入魂の寄稿は必読。(やしろ)

発行日:2023年4月22日
編集:パンドラ
価格:1000円(税込)

『アダマン号に乗って』

コンパクトなサイズの中に監督インタビューをはじめ、4本の寄稿というテキストが非常に充実した内容。そのどれもがこの映画の背景や知っておくべきことなどを、ページギリギリまで文字で埋め尽くされる非常に秀逸な文章となっている。(やしろ)

発行日:2023年4月28日
編集:有限会社ロングライド
デザイン:大寿美デザイン
価格:880円(税込)

『聖闘士星矢 The Beginning』

キャラクター紹介では原作での名前も併記してくれ、過去の聖闘士星矢の作品年表やコンセプトアートが掲載されているのは新規で聖闘士星矢に触れる人にも優しい内容。インタビューは監督キャストはもちろん、メインスタッフのコメントまで乗っているので満足度が高い。(やしろ)

発行日:2023年4月28日
編集:ぴあ(株)、(株)ライブ
デザイン:内田睦美
印刷:三映印刷
価格:880円(税込)
構成・文:成瀬史弥

『私、オルガ・ヘプナロヴァー』

主に場面写真が中心の内容ながら、中盤に掲載されてる高橋諭治氏、児玉美月氏、ペトル・ホリー氏の寄稿は、どれもそれぞれの持ち味を活かした素晴らしい内容。
全編モノクロだが、掲載されてるオフショットだけはカラーなのは印象深い。(やしろ)

発行日:2023年4月29日
編集:クレプスキュール フィルム
デザイン:マーズ・クリエイション
価格:1000円(税込)

『不思議の国の数学者』

脱北した天才数学者と挫折寸前の学生の出会いを描く本作ならではのノート風デザイン。(コラムページは黒板がモチーフで可愛い)残念ながらキャストインタビューは未収録だが、撮影の裏話やキャスティングについては4ページに渡り掲載されている監督インタビューで読むことができる。(machi)

発行日:2023年4月28日
発行・編集:クロックワークス
デザイン:大井山恵
協力:秋月望、佐藤結、安河内真澄
定価:800円(税込)

『セールスガールの考現学』

ピンクのネオンをイメージした表紙から映画のポップな雰囲気にあった誌面までデザインが可愛い一冊!日本人が知らないモンゴルの一面や映画に出てくるキーワードの解説、主人公に影響を与えるカティアによる名言集まで企画も映画を楽しく深掘りできる内容になっている。(松嶋)

発行日:2023年3月31日
編集・発行:ザジフィルムズ
デザイン:大寿美デザイン
定価:800円(税込)

『ガール・ピクチャー』

装丁がシンプルながら、映画で描かれるガールズたちの可愛さをぎゅっと閉じ込めたような紙面デザインと写真選びが秀逸。ページ数が少なく、見どころは監督のインタビューと山崎まどかさんによるコラムのみというのが少し残念。(しかまる。)

発行日:2023年4月7日
発行・編集:アンプラグド
デザイン:arms graphic
定価:700円(税込)

『ノートルダム 炎の大聖堂』

2019年4月15日に起きたノートルダム大聖堂の火災を題材にした本作。パンフレットは映画の迫力に負けない大きめなA4サイズ。全編IMAXカメラでの撮影や、再現セットを実際に燃やすなど、圧倒的リアリティで緊張感ある映像がいかにして作られたのか。その裏側が監督のジャン=ジャック・アノーやスタッフのインタビューでとても詳細に語られています。(しかまる。)

発行日:2023年4月7日
発行者:大田圭二
発行所:東宝株式会社映像事業部
発行権者:株式会社東北新社
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:中平一史(株式会社ビーモ)
印刷:成旺印刷株式会社
定価:880円(税込)

『せかいのおきく』

表紙は真っ白な紙に黒く艶やかなタイトル文字が印刷されたシンプルなデザインで、モノクロ(一部カラー)、スタンダードサイズの本編の美しさを際立たせます。キャスト・スタッフインタビューのほか、金原由佳さんによる撮影ルポ、映画のテーマとなっている江戸時代の循環型社会の解説などを収録。また、「この世界の片隅に」などで知られる漫画家・こうの史代さんがこの映画のために描き下ろしたイラストのビジュアルも折り込まれています。(しかまる。)

発行日:2023年4月28日
発行:東京テアトル株式会社
編集:株式会社キネマ旬報社
取材・執筆協力:門間雄介
デザイン:葛西薫、都築陽
編集協力:古居利康、伊比由理恵
印刷:大洋印刷
定価:950円(税込)

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