2023年2月に公開された映画のパンフレットをPATUメンバーが紹介します!
『別れる決心』
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パンフの内容は、読み物としてはプロダクションノートとパク・チャヌク監督インタビューのみとかなり寂しいが、封筒に入っているところでまず気分が上がり、劇中で見覚えのある絆創膏で封がしてあると思ったら、中身はこれまた見覚えのある柄のパンフ本体に場面写真はポストカードで楽しむ仕様という、石井勇一さん渾身のデザインが今回も楽しめる一冊。(鈴木)
発行日:2023年2月17日
編集・発行:ハピネットファントム・スタジオ
デザイン:石井勇一(OTUA)
編集協力:中谷祐介
印刷:久栄社
定価:900円(税込)
『BLUE GIANT』
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世界一のジャスプレイヤーを目指す本作のストーリーにちなみ、パンフはLPレコードサイズ(むしろこれ以外にどんな形があろうか…)。“音が鳴っている”と言われる原作漫画の魅力をどう映像表現に落とし込むのか、そのこだわり抜かれた音やライブシーンの製作秘話がたっぷり掲載されています。パンフを読んだ後、もう一度映画館で観直したくなること必至です。(しかまる。)
発行日:2023年2月17日
発行者:大田圭二
発行所:東宝株式会社映像事業部
編集:株式会社東宝ステラ
編集協力:橋本 学
取材・文:藤津亮太[P2、P9、P12〜13、P22]、原田和典[P5、P10]
デザイン:冨岡祥雄
印刷:成旺印刷株式会社
定価:1,100円(税込)
『すべてうまくいきますように』
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インタビュー記事はプレス資料から構成したものではあるが、監督インタビューは4ページのボリューム。野崎歓氏の作品解説、村上香住子氏の尊厳死に関するコラムはどちらも読んでおきたい。(やしろ)
発行日:2023年2月3日
編集:株式会社キネマ旬報社
デザイン:株式会社ヘルベチカ
編集協力:山元明子(ヘルベチカ)
価格:800円(税込)
『ぬけろ、メビウス!!』
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メインキャストインタビューに加え、監督の加藤慶吾氏と脚本の村上かのん氏の9ページにわたる対談は読み応えあり!作品の深いところまで踏み込んで話しているので、ぜひ読んで欲しい。(やしろ)
発行日:2023年2月5日
発行:deep water & moonlight
編集:ArtSnow/藤本洋輔
デザイン:林 貴之(May well inc.)
価格:880円(税込)
『エゴイスト』
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インタビューや対談コラムなど、テキストからこの映画に対する誠実さが如実にあらわれている。巻末に掲載されている多様な性に関する用語集は、不用意に使ってしまいがちな言葉に対して注意喚起をしてくれている。(やしろ)
発行日:2023年2月10日
編集:株式会社キネマ旬報社
デザイン:成瀬慧(restafilms)
印刷所:北斗社
編集協力:細谷美香
監修:松岡宗嗣
価格:900円(税込)
『崖上のスパイ』
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作中に登場する「梅蘭芳 米国滞在期」を模した表紙カバー付きのデザインが秀逸。
インタビューはない代わりに、当時の社会背景の解説や5本のコラムなどテキスト関連がとても充実している。A5版で表紙カバー付き、スパイ映画の冊子という装丁のせいか、勝手に弊誌「Funeral for Our Loyalty」とのシンパシーを感じている(笑)(やしろ)
発行日:2023年2月10日
編集:森岡裕子(松竹)
デザイン:成瀬慧(restafilms)
印刷所:成旺印刷株式会社
価格:900円(税込)
『銀平町シネマブルース』
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インタビュー、対談、プロダクションノートなどA5版の誌面にこれでもかとテキストを詰め込んだ濃厚な内容。巻末には撮影稿が掲載されており、映画を味わい尽くす充実した一冊となっている。(やしろ)
発行日:2023年2月10日
編集:直井卓俊(SPOTTED PRODUCTION)
デザイン:寺澤圭太郎
スチール:柴崎まどか
イラスト:岡田成生
編集協力:平井万里子、久保和明・浅木大(レオーネ)
価格:1,200円(税込)
『小さき麦の花』
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インタビュー記事もそうだが、コラムなどテキストからこの映画に対する各人の情熱が伝わってくる。特に藤井省三氏の阿Q正伝になぞらえた作品解説が大変素晴らしい。(やしろ)
発行日:2023年2月10日
編集:ムヴィオラ
デザイン:大寿美トモエ
価格:800円(税込)
『バビロン』
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金色を基調としたデザインが作品の豪華さを彩る。登場人物のモデルとなった実在の人物や、引用された作品、初期ハリウッドの映画史を解説した町山智浩氏のコラムは必読。(やしろ)
発行日:2023年2月10日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:小後摩剛文(D.D.WAVE JAPAN Inc.)
印刷所:成旺印刷株式会社
価格:880円(税込)
『対峙』
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B5サイズ横開きの版型に、シンプルな表紙のデザイン。プロダクションノートや本作で初監督・初脚本となるフラン・クランツ監督のインタビューに加え、本作で行われている「修復的司法」を日本で普及させる活動をしている、「被害者と司法を考える会」代表の片山徒有さんのコラムは必読。(鈴木)
発行日:2023年2月10日
発行:トランスフォーマー
編集:株式会社フラニー&Co.
デザイン:株式会社ヘルベチカ
定価:800円(税込)
『ベネデッタ』
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ポール・ヴァーホーベンのフィルモグラフィーやインタビュー。実在したベネデッタの年表や舞台となったロケ地や作中の地理解説、映画を読み解くキーワードなど映画を理解するために必要な記事を網羅してくれている。その上でみうらじゅん氏や辛酸なめ子氏の漫画コラムなど硬軟織り交ぜて絶妙なバランスを保っている。(やしろ)
発行日:2023年2月17日
編集:クロックワークス
デザイン:高橋ヨシキ
印刷所:三永印刷株式会社
編集協力:高橋ヨシキ
価格:900円(税込)
『ボーンズ アンド オール』
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まるで血が染み込んだような色の表紙にシルバーのインクで使い古されたような加工がされています(開いた時の折り目がついても目立たないのがちょっぴり嬉しい)。美麗なカラーページだけでなく、印象的なシーンのカットとともにセリフが添えられたページなどもあり、映画の余韻にどっぷりと浸れます。監督・キャストインタビューをはじめ、作家 金原ひとみさん、ライターの稲垣貴俊さんらによるレビューや7ページにも及ぶプロダクションノートなど、満足度が高い一冊!(しかまる。)
発行日:2023年2月17日
発行承認:ワーナー ブラザース ジャパン合同会社
編集・発行:松竹株式 事業推進部
編集:宫部さくや(松竹)
テキスト協力:山元明子(ヘルベチカ)
デザイン:石川瑛美(ヘルベチカ)
印刷:株式会社久米社
定価:1,100円(税込)
『劇場版 センキョナンデス』
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フリーランスライター畠山理仁さんの「選挙漫遊十箇条」に始まり、大島新さんや能町みね子さんなどの寄稿や舞台となった香川と大阪のグルメ情報などなど38ページにわたり、「選挙は祭だ!」と語る制作者たちの姿勢や想いがギッシリ詰まっている。(鈴木)
2023年2月18日発行
デザイン:三好真裕美
発行・編集:ネツゲン
定価:1000円(税込)
『アラビアンナイト 三千年の願い』
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石井勇一さんが物語の色彩あふれる美しい世界観をイメージしてつくったカラフルなデザイン。コンパクトなサイズながらも、グロス加工が盛られた表紙のアラビアンタイルのような見た目と手触りに思わずうっとり……!民族学や物語論の観点から語られるレビューも読み応え抜群。(松嶋)
発行日:2023年2月23日
発行者:大田圭二
発行所:東宝株式会社映像事業部
発行権者:株式会社キネフィルムズ
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:石井勇一、武田千織(OTUA)
印刷:成旺印刷株式会社
定価:880円(税込)
『逆転のトライアングル』
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セレブたちが搭乗する豪華クルーズ船の船内誌というコンセプトでデザインされたパンフレット。リューベン・オストルンド監督の皮肉たっぷりなインタビューと、それに負けない町山智浩さんのレビューは読んでいて思わずクスリとしてしまいます。また、パンフレットに載る情報としてはかなり珍しい、映画製作にかかった日数やテイク数などのデータがこの作品のシニカルさを物語っています。(しかまる。)
発行日:2023年2月23日
発行者:大田圭二
発行所:東宝株式会社映像事業部
発行権者:ギャガ株式会社
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:石井勇一(OTUA)
印刷所:株式会社久栄社
定価:880円(税込)
『少女は卒業しない』
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卒業アルバムを意識したデザインは映画の雰囲気に浸ることができ非常に良い。実は作中ではほとんど絡むことがない女性キャスト4人の対談は興味深い。巻末の寄せ書きや答辞全文もエモーショナルで素晴らしい。(やしろ)
発行日:2023年2月23日
デザイン:大寿美トモエ
印刷・製本:ドラゴンフライ
編集協力:SYO
撮影協力:Masaya Takahashi(高橋写真事務所)
価格:1,000円(税込)
『茶飲友達』
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ほぼ全キャストの写真とプロフィールに加え、「あなたにとって家族とは?」という質問の答えも載せているのが素敵。各人の役にそった答えや、自身の考えなど、それぞれの家族像を反映しているのが、本作の本質を表していて興味深い。(やしろ)
発行日:2023年2月4日
編集・執筆:栗原晶子
デザイン:三宅宇太郎
価格:1,000円(税込)
編集協力:外山文治
スチール:松井綾音
『ただいま、つなかん』
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2013年に自宅を民宿「唐桑御殿つなかん」として改装し、生まれ変わらせた菅野一代さんを約10年にわたって追いかけたドキュメンタリー。10年という年月だけあって、映像には出てこなかったエピソードの数々をパンフを読めば知ることができるのでオススメの一冊。(パ)
発行日:2023年2月24日
編集・発行:文化工房
デザイン:堀紗紀世
印刷:三永印刷株式会社
定価:800円(税込)
『コンパートメントNo.6』
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監督へのQ&A形式のインタビューは原作と映画の違いや、撮影の苦労話など幅広く理解できる内容。久保玲子氏のコラムはロシアとフィンランドの関係を念頭に作品解説をしており、より深く作品の深層に潜れる内容となっている。(やしろ)
発行日:2023年2月10日
編集:プレイタイム(斉藤陽)
デザイン:山田裕紀子
価格:800円(税込)
『バンバン!』
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トム・クルーズとキャメロン・ディアスによる『ナイト&デイ』(2010)のインド版リメイク。アメリカ映画のインドリメイクはこの他にも作られているけれど、設定が大きく変えられていたり。そんな解説からトリビア、音楽、インド映画研究家・高倉嘉男さんによるエッセイが掲載。(パ)
発行日:2023年2月10日
パンフレット制作:フルモテルモ
パンフレットデザイン:中野香
協力:安宅直子、印度映画広報室
定価:800円(税込)
『エンパイア・オブ・ライト』
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サーチライト・ピクチャーズお馴染みのMOVIE WALKER PRESS vol.24として発行されたパンフ。本作もボリューム満点の充実した内容に仕上がっている。監督やキャストインタビューほか、ピーター・バラカン氏や湯山玲子氏などバラエティ豊かな寄稿陣が嬉しい。(machi)
発行日:2023年2月24日
発行・編集:株式会社ムービーウォーカー プラットフォーム事業部 デジタル・コミュニケーション部
発行人:五十嵐淳之
編集:下田桃子、杉原苑子
編集協力:宇野維正、平井伊都子
校閲:入江恭子
デザイン:塚原敬史、岩間良平(trimdesign)
印刷:大洋印刷株式会社
定価:855円+税
『湯道』
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銭湯のタイルを意識した表紙デザイン。インタビューや写真が中心のオーソドックスな構成ながら、巻末にある湯道所作一覧とまるきん温泉の図解は気合の入った内容。あなたを湯道へと誘う。(やしろ)
発行日:2023年2月23日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:江口伸二郎 告原小百合(株式会社SENRIN)
印刷所:株式会社久栄社
オフィシャルライター:渡辺水央
価格:880円(税込)
『ワース 命の値段』
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9.11テロ被害者と遺族、約7000人に対して、どのように補償金を分配するか。そんな役割を自ら引き受けた弁護士の実話。モデルとなった弁護士本人、補法律事務所で働く管理部長の功績、償金改革キャンペーンを訴えた人などの紹介が充実。この映画の後にはどのような補償が続いたかを読むとまだ被害者にとっては終わっていない出来事だと気付かされる。(パ)
発行日:2023年2月23日
発行権者:有限会社ロングライド
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:ダイアローグ
定価:880円(税込)
『建築映画館2023』ブックレット
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2023年2月23日(木・祝)〜 2月26(日)までアンスティチュ・フランセ東京で開催された上映イベント「建築映画館 2023」のブックレット。4日間にわたって上映された作品群の紹介、トリを飾ったトム・アンダーセン監督作『ロサンゼルスによるロサンゼルス』で引用されている映画作品のリストなどを掲載。また本企画の運営に携わったスタッフ陣による論考も面白い。(しかまる。)
発行日:2023年2月23日
発行:建築映画館実行委員会
装丁デザイン:鈴木哲生、中村陽道
編集・校正:平井祐一
印刷・製本:株式会社イニュニック
定価:800円(税込)