映画パンフは宇宙だ!

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2022年5月に公開された映画のパンフ!

2022年5月に公開された映画のパンフレットをPATUメンバーが紹介します!

『トップガン マーヴェリック』

最初の見開きがポスター仕様でときめく。監督・キャストインタビューがない代わりに、前作にトムが出演したきっかけに始まり、続編を模索し形にするまでの軌跡を追った12頁に及ぶプロダクションノートは、映画の感動が倍増する胸熱。惜しむらくはキャスト紹介に“アイスマン”がいないこと……残念。(小島)

発行日:2022年5月27日
発行者:太田圭二
発行所:東宝株式会社映像事業部
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:中平一史(Viemo)
印刷所:成旺印刷株式会社
定価:880円(税込)

『ハケンアニメ!』

映画が面白かったので、思い切って豪華版を購入!通常盤は850円。豪華版は、劇中で制作されるアニメを特集した架空の雑誌や原作者の辻村深月さんによる作中アニメの全話プロットなど、作品にハマった人なら嬉しい大充実の内容。どこかで見覚えがありそうなユーモア溢れる"トウケイ動画"のロゴと、それをあしらった角2封筒とシールが最高に可愛くて開けるのがもったいないほど!お仕事映画にぴったりな、丁寧なお仕事にワクワクするパンフ。(ながせ)

発行日:2022年5月20日
発行:東映(株)事業推進部
編集:森祐美子
パンフレット取材・文:那須千里
アニメゾン編集・文:後藤悠里奈 福西輝明
デザイン:重本大輔(FILM)
印刷:三映印刷
価格:1,700円(税込)

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』特別版

特別版・通常版が複数あるファン泣かせのパンフレット。時空入り乱れる映画の世界観のままに、虹色に光る装幀。王道のつくりだが、遊び心溢れるコマ割りは、一見ふつうに見えるものでも上下が入れ替わっておりくるくる回しながら手にせざるを得ない面白い仕掛け。マルチバース概念コラムは必読。(小島)

発行日:2022年5月4日
発行者:太田圭二
発行所:東宝株式会社映像事業部
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:平塚寿江(東宝ステラ)
翻訳・テキスト協力:主水
キャスト・インタビュー翻訳・構成:久保田祐子
スタッフ・インタビュー翻訳・構成:傭兵ペンギン
監修協力(翻訳):久保田祐子
印刷所:成旺印刷株式会社
定価:1,100円(税込)

『ワンダヴィジョン』

※「Disney+ (ディズニープラス)」にて配信中のドラマシリーズ

ドラマ向けにパンフレットが作られるのは珍しいが、理由がある。MoMをストレスなく観るため必須とされた作品なのに、Disney+でしか観られない。そこで読めば分かるとばかり全エピソードからCMの小ネタまで親切詳解。謎めく世界に二人がどう向き合ったか、キャストインタビューも興味深い。(小島)

発行日:2022年5月4日
発行者:太田圭二
発行所:東宝株式会社映像事業部
編集:株式会社 東宝ステラ
翻訳:主水
デザイン:ダイアローグ
印刷所:成旺印刷株式会社
定価:880円(税込)

『犬王』

原画、絵コンテ、インタビュー、劇中歌7曲の歌詞と、1,400円の金額以上に豪華な内容。表紙にはバフン紙を使用しており土壁のようにざらっとした風合い。黒と赤の箔押しでタイトルとイラストが描かれ、赤い糸で糸綴じになっている凝ったデザインにグッとくる。脚本家・野木亜紀子さんが制作過程を赤裸々に語るインタビューは必見!(machi)

発行日:2022年5月28日
発行:『犬王』製作委員会
協力:アスミック・エース、サイエンスSARU
表紙原画:榎本柊斗
構成・文:岡本敦史
デザイン:芥陽子、桝田裕起、鹿瀬島雪子
制作:アニプレックス
編集:淀明子、深川活水
編集協力:ソニー・ミュージックアーティスツ、須澤友子、深沢真央、武重裕子
制作協力:清水宏美、羽田賢一郎、海老原雅美
印刷:久栄社
定価:1,400円(税込)

『流浪の月』

劇中で何度も映される月のように美しくシンプルなデザイン。インタビューもしっかり掲載されており、鑑賞後の気持ちを整理したい人はぜひ手に取ってほしいパンフレット。作家・島本理生さんによる解説が素晴らしいです。(machi)

発行日:2022年5月13日
発行者:太田圭二
発行所:東宝株式会社 営業事業部
編集:株式会社 東宝ステラ
文・取材(李、ホン、凪良):朴木浩美
取材(出演者、種田、原):相田冬二
アートディレクション&デザイン:宮本尚男
印刷所:株式会社久栄社
定価:820円(税込)

『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』

B5サイズのシンプルな形ながらも、チャン・イーモウ監督インタビュー、映画ジャーナリスト2名によるコラム、政治学者による時代背景の解説など、文化大革命の時代を舞台とする本作の理解が深まる内容になっている。欲を言えば、キャストやスタッフのインタビューも掲載して欲しかった!(machi)

発行日:2022年5月20日
発行・編集:ツイン
デザイン:ブラウングラフィックス
定価:700円(税込)

『マイスモールランド』

B5サイズ横長で、テーマカラーの赤が効いているデザイン。表紙はシンプルながら、中は劇中に登場するスプレーアートや赤色のトレーシーングペーパーをあしらうなど凝ったつくりになっている。物語の中心となる主人公サーリャの家族は実際の家族であり、4人の貴重なファミリートークは必読。(鈴木)

発行日:2022年5月6日
執筆:石塚圭子
デザイン:石川瑛美(株式会社ヘルベチカ)
編集:山元明子(株式会社ヘルベチカ)
撮影:鈴木さゆり
表紙ロゴデザイン:we+
スプレーアート監修:安藤卓児
裏表紙イラスト:リオン・カーフィサデー
印刷所:株式会社光陽社
発行・販売元:株式会社バンダイナムコフィルムワークス
定価:900円(税込)

『私だけ聴こえる』

『コーダ愛のうた』がヒットする中、実際のコーダや、コーダキャンプに取材したドキュメンタリーの本作は、画として情報が溢れてくるので、パンフで内容を整理、補完してくれる。その中でも、自身もコーダの五十嵐大さんの寄稿は、コーダは決して違う世界の出来事ではないことを実感する。(屋代)

発行日:2022年5月28日
デザイン:サムワンズガーデン

『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』

本好き、読書好きに訴求する映画の作風に寄り添った、テキスト多めの堅実なパンフレットが嬉しい。コトゴトブックスの木村綾子さんによる推薦本やサリンジャーの作品を紹介するページにひっそりと載せられた「ファンレターにまつわるエピソード」に、思わずにやり。(ながせ)

発行日:2022年5月6日
発行:ビターズ・エンド
デザイン:サイファ。岡野登 柴田理子
価格:880円(税込)

『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ』

第71回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した本作は3部構成をとっており、パンフの寄稿もそれになぞらえた構成になっている。河野真太郎氏、清恵子氏、柳下毅一郎氏による三者三様のコラムは、ルーマニア発の難解かつイカれた本作を多角的に映し出し、ベルリンの熱狂の本質を教えてくれる。(屋代)

発行日:2022年5月21日
編集:ツイン
デザイン:クスハラデザイン
価格:700円(税込)

『死刑にいたる病』

写真をふんだんに盛り込み、インタビュー、キャスト監督鼎談などテキストも充実。特に原作者の櫛木理宇氏と犯罪心理学者の桐生正幸氏の対談や千街晶之氏、轟夕起夫氏の批評は読み応え○!そして、パンフの最後に待ち受けるあるギミックにゾッとする事間違いなし(私は思わず声に出して驚いた)(屋代)

発行日:2022年5月6日
編集:クロックワークス、森祐美子
デザイン:岡野登(サイファ。)
印刷所:株式会社久栄社
取材・文:森祐美子、村山章、森直人
撮影:福岡諒祠(GEKKO)
価格:1,000円(税込)

『シン・ウルトラマン』

「シン・〜」シリーズのパンフレットは人物相関図、大まかなストーリーライン、スタッフ、キャストインタビューなど基本的な情報に重きを置いている。さらに踏み込んだ情報が欲しい人向けに、デザインワークスを同時発売するなど、近頃よくみる特装版商法とは一線を画している感がある。とはいえ、ありきたりで凡庸な内容なのかといえばそうではない。そこかしこにしっかりとリピート欲を刺激する「ウルトラマン成分」がしっかり散りばめられている。(屋代)

発行日:2022年5月13日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:ダイアローグ
印刷所:成旺印刷株式会社
編集協力:佐々木淳
テキスト協力:小林淳
価格:990円(税込)

『私のはなし 部落のはなし』

8ページに及ぶストーリー解説、4本のコラム、満若監督によるディレクターズ・ノート、プロデューサーの大島新氏によるプロダクションノートと、長尺ドキュメンタリー鑑賞後に読むサブテキストとして完璧な内容。特に静岡大学教授の黒川みどり氏監修による明治維新以降の日本近現代史と部落の歴史の関わりの年表は出色。(屋代)

発行日:2022年5月21日
編集:東風、満若勇咲
デザイン:成瀬慧
価格:800円(税込)

『a-ha THE MOVIE』

「テイク・オン・ミー」という大ヒット曲で知られるノルウェー出身バンド「a-ha」のドキュメンタリー。この曲名にピンと来ない人でも聴けばあの曲か!とわかるはず。最近では『ラ・ラ・ランド』でライアン・ゴズリングが嫌々ながら演奏していたあの曲です。というか色んな映画に使われすぎていて、パンフにはこれまでどんな映画で使われてきたのかタイトル一覧を掲載。伝記を元に作られた本編を見た後で改めてバンドの歴史をおさらいできる丁寧な作りのパンフレット。監督のトマス・ロブサームは7月1日公開『わたしは最悪。』のプロデューサーと知る。(パ)

発行日:2022年5月20日
発行・編集:クロックワークス
編集協力:勝山かほる
デザイン:ドラゴンフライ
協力:ワーナーミュージック・ジャパン、ユニバーサルミュージックジャパン
価格:800円(税込)

『ドンバス』

2020年にドキュメンタリー3作品が公開されたセルゲイ・ロズニツァ監督による2018年の作品。タイトルの「ドンバス」は親ロシア派勢力が多いウクライナ東部の地域名。この度ロシア軍によるウクライナ侵攻が起こり、緊急公開。パンフレットの冒頭6ページにわたって配給を手掛けたサニーフィルム代表による公開までの経緯がウクライナ情勢の変遷と共に語られる。今年3月に発表された監督自身による声明文も掲載。映画を構成する13のエピソードを「深読み」ポイントで背景を解説するページが大変有難い。小泉悠氏らほか全9人が寄稿、A5、70ページ。本作は上映予定がなかったが、思いも寄らぬ形で公開され、公式パンフレットにも世相が反映されてしまった。(パ)

発行日:2022年5月21日
発行人:有田浩介
編集協力:守屋愛
デザイン:成瀬慧
発行所:サニーフィルム
価格:1200円(税込)

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