映画パンフは宇宙だ!

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2022年4月に公開された映画のパンフ!

2022年4月に公開された映画のパンフレットをPATUメンバーが紹介します!

『カモン カモン』

布のような質感の表紙にタイトルは白の箔押し、製本テープはジョニー&ジェシーのあのシーンの写真を使用。中は数種類の紙を使い分け、写真・インタビュー・レビューと盛り沢山。表裏表紙の中、柄の様に並べられたテキストの対比にも注目!各劇場で売り切れ続出なので見かけたらぜひゲットを。(鈴木)

発行日:2022年4月22日
編集・発行:ハピネットファントム・スタジオ
デザイン:大島依提亜
印刷:株式会社二光
定価:1000円(税込)

『TITANE チタン』

エッジの効いたカットでみせる斬新なデザインは大島依提亜さん。金属を思わせる重い鈍色の表紙をめくると、平衡感覚を失わせるが如く展開するページ構成は混沌としながらキレのある作品世界のよう。朝倉加葉子監督による「オタクの早口語り」的な密度の濃いレビューのオーバードライブ感が堪らない。(小島)

発行日:2022年4月1日
発行承認:ギャガ株式会社
編集・発行:松竹株式会社事業推進部
編集:岩田康平(松竹)
テキスト協力:中村明美
デザイン:大島依提亜、中山隼人
印刷:株式会社久栄社
定価:950円(税込)

『モービウス』

半分ホログラムの表紙に、観音開きで展開されるジャレッド・レトのグラビアページというトリッキーな構成。テキスト中心のモノクロページは黒地に銀字で、デザイン的に凝った作りになっている。日本ではまだ馴染みの薄いモービウスの基本情報を知るにはもってこい。(屋代)

発行日:2022年4月1日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:小嶋謙介(green.)
テキスト協力:杉山すぴ豊
印刷所:成旺印刷株式会社
価格:880円(税込)

『英雄の証明』

真っ白と思いきや、染みて汚れたような表紙の中央に金で彩られたタイトルが光る力強い装幀。映画は虚実がいとも簡単に逆転するインターネット社会の病巣を描き出すが、その後本作に関して取り沙汰された問題をみるにつけ皮肉という他ない。これほど複雑な気持ちになる監督インタビューも珍しいだろう。(小島)

発行日:2022年4月1日
発行:株式会社シンカ
編集:平井直子
編集協力:高橋諭治
デザイン:成田祐人(SYNCA design)
定価:900円(税込)

『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』

大判、ビジュアル多めでこの値段はお値打ち。各キャストへの短いインタビューを網羅するなど王道パンフ的つくりだが、特筆すべきはプロダクションノート。全体のほぼ3分の1を割いて作品世界、キーワード、衣装などあくまで本作に特化した解説を行い、前作を観ていなくとも楽しめる工夫がされている。(小島)

発行日:2022年4月8日
発行承認:ワーナー・ブラザーズ映画
編集・発行:松竹株式会社事業推進部
編集:宮部さくや
デザイン:有吉美佐子
印刷:株式会社久栄社
定価:850円(税込)

『チェリまほ THE MOVIE 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』

映画ビジュアルではなくイラストを用いた装幀の作品世界を体現する優しい色合いが目を引く。近年同性愛役を異性愛者の俳優が演じることに様々な声はあるが、逃げや誤魔化しのない主演二人の真摯な対話はTV版から続くこの作品の幸福度を感じさせる。大ファンを公言する桜庭一樹さんのコラムの言祝ぎ!(小島)

発行日:2022年4月8日
発行者:大田圭二
発行所:東宝株式会社映像事業部
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:大寿美トモエ
表紙イラスト:金子幸代
印刷:株式会社久栄社
定価:820円(税込)

『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』

さほど大作ではない映画の続編にきっちりパンフを作ってくれた心意気に感謝。アクションコメディに相応しい派手で明るい色合いが目にも楽しい。変わり種は作品でなく劇中に登場する「銃器」レビュー。実は様々な映画に登場する常連の武器もあり、今後アクション映画を観るときの着目点が増えて嬉しい。(小島)

発行日:2022年4月8日
発行者:大田圭二
発行所:東宝株式会社映像事業部
発行権者:REGENTSリージェンツ
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:樫原康典 壷井なぎさ(33inc.)
印刷:株式会社久栄社
定価:880円(税込)

『アネット』

レオス・カラックス監督のロングインタビューをはじめ、黒沢清監督の特別インタビューで更に作品を深掘り。本作を観た後はカラックス監督作品を振り返りたくなるので、フィルモグラフィーが大活躍。パンフというよりMOOK?52ページの大ボリューム!(鈴木)

発行日:2022年4月1日
発行所:ユーロスペース
発売:ライスプレス株式会社
発行人:堀越謙三
編集人:西嶋憲生・岡崎真紀子
編集協力:高崎俊夫
デザイン:桜井雄一郎
印刷・製本:株式会社グラフィック
定価:1200円(税込)

『パリ13区』

テキストページに使用された真っ黒な紙に銀の文字プリントがおしゃれ!作品そのもののモノクロの世界観と美しさを表現したような、そして鮮やかな蛍光グリーンが印象的なシンプルながら「映える」、色づかいで魅せるパンフ。
パンフの中心にミニフォトブックのように写真のページが入っているのも素敵です。(ながせ)

発行日:2022年4月22日
発行・編集:有限会社ロングライド
テキスト協力:大島依提亜、中山隼人
印刷:北斗社
定価:950円(税込)

『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』

テレビアニメ「オッドタクシー」の劇場版。小戸川さんが佇む、怪しい雰囲気漂う表紙がいい。声優陣の対談ほか、前日譚シナリオや朗読劇も掲載され、ファンなら持っておきたい一冊。もちろんキャラクター紹介や相関図も掲載されているので新規ファンにも優しい作り。(machi)

Editor:北川温子(PONY CANYON)
Writer:藤津亮太、一野大悟
Art Direction&Design:齋藤拓也(PCP)
Creative Coordinate:皆川健治(PCP)
Special Thanks:平賀大介(P.I.C.S.)、神戸麻紀(P.I.C.S.)、伊藤裕史(PONY CANYON)、福島みなみ(PONY CANYON)、クイック・ジャパン
定価:1,000円(税込)

『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』

B5サイズのシンプルな形状だが、監督・キャストのインタビューがしっかり見開きで掲載されていることが嬉しい。コラムは久保玲子さん、森直人さん、児玉美月さんの3名。ジェンダー・セクシュアリティ視点での解説は読み応えも◎。(machi)

発行:2022年4月8日
発行・編集:ミモザフィルムズ
デザイン:restafilms
定価:750円(税込)

『メイド・イン・バングラデシュ』

バングラデシュを舞台に、衣料品工場の過酷な労働環境と低賃金に立ち向かう女性たちを描くドラマ。教科書のように丁寧なバングラデシュの基本情報がありがたい。監督インタビューはもちろん、アジア経済論やバングラデシュ地域研究をされている大学准教授2名の解説など読み物が充実。(machi)

発行:2022年4月16日
編集・発行:パンドラ
定価:800円(税込)

『スパークス・ブラザーズ』

私をはじめ本作で彼らのファンになった人は多いと思うので、ジャケ写付きディスコグラフィーがありがたい。ロン&ラッセル兄弟のインタビューや、山崎まどかさんのコラムも!彼らが日本を訪れた時の写真もぜひ探してみてください。(鈴木)

発行日:2022年4月8日
発行者:大田圭二
発行所:東宝株式会社映像事業部
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:三堀大介 木村真也(SIREN Inc.)
印刷所:成旺印刷株式会社
定価:880円(税込)

『マリー・ミー』

王道のラブコメを見事に現代版にアップデートしてみせた本作らしく、華やかなシーンのカットがふんだんに使われていて見ていて楽しいパンフ。欲をいえば、昔ながらの洋画パンフっぽい大きめサイズだったらもっと嬉しかった!(ながせ)

発行日:2022年4月22日
発行者:大田圭二
発行所:東宝株式会社映像事業部
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:山鹿聡美(プランニングオム株式会社)
印刷所:成旺印刷株式会社
定価:880円(税込)

『ベルイマン島にて』

ノートのように左端に綴じのプリントがあるのが印象的。シネスイッチ銀座での上映作品なので、表紙右上にシネスイッチのロゴが入っているのは嬉しいです(ながせ)

発行日:2022年4月20日
編集・発行:株式会社キネマ旬報社
発行承認:キノフィルムズ
編集協力:山元明子(ヘルベチカ)
デザイン:Akane design(若林信重、花岡文子)
定価:750円(税込)

『シャドウ・イン・クラウド』

シンプルな作りでTOCANAのパンフを彷彿とさせる内容。監督メッセージに加え、杉山すぴ豊さんと山崎まどかさんのコラムが読める。そして巻末見開きでグレムリンと戦うクロエ・モレッツの写真がこの映画の本質を表現している。(屋代)

発行日:2022年4月1日
編集:小口心平(TAIRA)
デザイン:大寿美トモエ
編集協力:高橋諭治
価格:770円(税込)

『女子高生に殺されたい』

シンプルな作りでTOCANAのパンフを彷h(以下略)。テキストは少なめながら、華やかなキャストたちのグラビアが多めに掲載されており、眺めて楽しいタイプ。お値段もお求めやすく、劇場で完売が相次いでいるのもうなずける。(屋代)

発行日:2022年4月1日
編集:ブロードメディア株式会社
デザイン:PLANS INC.
印刷所:三永印刷株式会社
価格:660円(税込)

『私はヴァレンティナ』

ヴァレンティナ役のティエッサ・ウィンバックのインタビューを始め、監督、イシヅカユウさんコラムなど多くのテキストで作品の理解を深めるだけでなく、トランスジェンダーの人々を取り巻く状況を積極的に発信している意義があるパンフ。(屋代)

発行日:2022年4月1日
編集:金恵玉
デザイン:秋山京子
編集協力:矢澤一範
価格:600円(税込)

『今はちょっと、ついてないだけ』

コーヒー専門誌のような装丁。映画の舞台となった4つの町の紹介と撮影秘話や、名産品や撮影で使用されたこだわりのアイテムの紹介、映画に登場するシェアハウスのメイキングまで、石川天翔さんが関わっているだけあって隅々まで映画を味わえる内容。さすが松竹(が関わった)パンフにハズレなし!(屋代)

発行日:2022年4月5日
編集:小宮義弘、石川天翔[松竹]
デザイン:荒澤舞(Move Graphics Inc)
印刷所:成旺印刷株式会社
価格:850円(税込)

『ハッチング―孵化―』

石川天翔さんによる可愛らしさと邪悪さが同居する秀逸なデザイン。コンパクトなサイズながら監督インタビューに加え、監督出演者二人による鼎談など読み応えあり。更に風間賢二さんがホラー的視点からの解説、フィンランド在住の森下圭子さんによるコラムなどテキストも充実!(屋代)

発行日:22022年4月15日
編集:湯木久雄、石川天翔[松竹]
デザイン:山田 裕紀子
価格:880円(税込)

『親愛なる同志たちへ』

実は私は本作を2020年の東京国際映画祭で観ているのだが、その際に調べたポイントをしっかり解説してくれている。特にイスクラさんによる”労働者とタバコ”という観点で当時のソ連を分析する記事は目から鱗。「インフル病みのペトロフ家」と同じ成瀬慧さんデザインによるパンフは、複雑な内容の理解を助けると同時にデザイン性を両立させている。(屋代)

発行日:2022年4月吉日
編集:アルバトロス・フィルム
デザイン:成瀬慧(restafilms)
テキスト協力:高橋諭治
価格:800円(税込)

『インフル病みのペトロフ家』

この難解なロシア映画の理解が深められるよう、丁寧な作品解説に心を砕いている、ムヴィオラさんらしい誠実な一冊。原作小説が日本語未訳なため、原作者と字幕翻訳者からのコメントを掲載したのは素晴らしい。何より感嘆したのが、ロシアのウクライナ侵攻後の、ウクライナ人関係者たちの現在を紹介しているページがあること。「親愛なる同士たちへ」同様、このタイミングだからこそ読むべき。(屋代)

発行日:2022年4月23日
編集:ムヴィオラ
デザイン:成瀬慧(restafilms)
価格:700円(税込)

『N号棟』

キャスト、監督のインタビューを中心に作中写真を織り交ぜた構成。実際の幽霊団地事件を元にした本作らしく、見開きで週刊誌の記事に似せたページが本作の不穏さを表している。(屋代)

発行日:2022年4月29日
編集:平井万里子
デザイン:DRAGONFLY
価格:880円(税込)

『KKKをぶっ飛ばせ!』

4カ月連続でTOCANA配給作のパンフを紹介。グラインドハウスとエクスプロイテーション映画が現代に蘇った!しかも、パンフレット付きで。ブラックカルチャーからアメリカ映画を紐解いた『ブラックムービー ガイド』の著者・杏レラとさんらが寄稿。『子連れ狼 冥府魔道』がベスト日本映画と語る監督インタビューも。(パ)

発行日:2022年4月22日
発行:TOCANA
デザイン:伊藤拓希(CYZO.inc)
定価:600円(税込)

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