2022年3月に公開された映画のパンフレットをPATUメンバーが紹介します!
『ガンパウダー・ミルクシェイク』
文学全書の中の一冊のような装幀を開くと現れるページに興奮。シスターフッド視点で語る作家の王谷晶氏の熱いコラムの反芻効果!短い中に役の理解や役作りについて凝縮された各俳優へのインタビューが秀逸。タランティーノフォロワーを自認する監督の映画観とは?楽曲解説は宇野惟正氏担当と死角なし。(小島)
発行日:2022年3月18日
発行所:東宝株式会社映像事業推進部
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:岡野登(サイファ)
印刷:成旺印刷株式会社
定価:880円(税込)
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
マーベル・DC系作品では近頃むしろ珍しい通常版のみ発売。撫で回したくなるしっとりした手触りの表紙、中身は赤と黒を基調にまとめられ格好いい。どれを予復習すべきか惑うバットマン初心者にも親切な振り返り・総括記事の充実ぶり、主要全キャスト&監督へのインタビューなど気合いの入った一冊。(小島)
発行日:2022年3月10日
編集・発行:松竹株式会社事業推進部
編集:岩田康平、湯木久雄(松竹)
テキスト協力:吉川悠(キャラクター紹介/相関図)稲垣貴俊(キャスト・監督インタビュー)
デザイン:川上圭三(川上デザイン室)
印刷:株式会社久栄社
定価:900円(税込)
『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争』
1985年に公開された、同タイトルのリメイク版。シールを貼って完成させるストーリページ、組み立て付録、両面ポスターなど…映画ドラえもんのパンフレットでは毎度お馴染み、付録満載の一冊!子供はもちろん、ひみつ道具の解説やメイキングページは、大人も心躍る情報が詰まっている。(あず)
発行日:2022年3月4日
発行者:大田圭二
発行所:東宝株式会社映像事業部
編集:東宝ステラ
デザイン:有泉勝一(株式会社タイムマシン)
定価:770円(税込)
『ベルファスト』
モノクロで描かれている本作に合わせてパンフの中もモノクロ+テーマカラーになっているイエローを効かせている。表紙も中も、しっかりとした厚紙を使用。
作品の背景となっている北アイルランド紛争の歴史背景の解説があるので、ここは映画を観る前に読んでも◎(鈴木)
発行日:2022年3月25日
発行者:大田圭二
発行所:東宝株式会社映像事業部
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:ダイアローグ
印刷:成旺印刷株式会社
定価:880円(税込)
カラー/B5/P24
『猫は逃げた』
「愛なのに」と対をなす作品なだけに、同じフォーマットで今泉監督と城定監督の対談や、コラム、シナリオ再録、マンガをバッチリ掲載。出演者プロフィールとして見開き2ページで猫たちの紹介もあるのが最高!他にも作中のマンガを手がけた岡藤真依さんの”二次創作”マンガは秀逸で、あまり描かれなかった松山の切ない気持ちがひしひしと伝わってくる。(屋代)
発行日:2022年3月18日(金)
編集:直井卓俊
デザイン:鈴木規子、寺澤圭太郎
価格:1200円(税込)
『SING/シング:ネクストステージ』
字幕版の豪華キャストからのコメントや使用楽曲解説、監督インタビューや平沢薫さんの映画コラムと宇野維正さんの音楽コラムなど映画ファンと音楽ファンのどちらも楽しめる内容。日本語吹き替え版のキャストコメントもきちんと掲載!ホログラムの表紙が眩しい、値段に比してゴージャスな一冊。(屋代)
発行日:2022年3月18日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:平塚寿江(東宝ステラ)
印刷所:成旺印刷株式会社
価格:880円(税込)
『ナイトメア・アリー』
出演者、監督インタビューに加え坂本眞一氏、ヒグチユウコ氏のイラスト寄稿が出色。アカデミー賞にノミネートされている美術の解説がタメになる。そして劇中で暗示されるタロットも提示されており、タロット占いに興味があるのなら調べてみるのも一興だろう。安心安定のサーチライトマガジンクオリティ。(屋代)
発行日:2022年3月25日
編集:株式会社ムービーウォーカー、下田桃子、杉原苑子
デザイン:塚原敬史、岩間亮平(trimdesign)
印刷所:大洋印刷株式会社
価格:840円(税込)
『余命10年』
パンフが映画の記憶をよみがえらせてくれるという言い方はちょっと恥ずかしいけど、この中では茉莉が生きている。グラビア多めの構成に、便箋風のレイアウトは言葉が優しく見える。渥美志保氏のコラムで語られる茉莉と和人の変化を知ると……。2度泣きという言葉も恥ずかしいが、それにうってつけのパンフだ。(岩似)
発行日:2022年3月4日
発行承認:ワーナーブラザース映画
編集・発行:松竹株式会社 事業推進部
編集:小宮義弘(松竹)
デザイン:郡司龍彦
定価:850円(税込)
『オートクチュール』
オフホワイトの表紙に金色で施されたカリグラフィーの文字が素敵!主演のナタリー・バイが演じるのはディオールのオートクチュールでアトリエ責任者を務める引退間近のお針子。
公開前からパンフレットにも期待していましたが、カリグラフィーや手書き風のイラストをふんだんに使ったデザインは、期待以上!(な)
発行日:2022年3月25日
発行承認:クロックワークス
編集・発行:松竹株式会社 事業推進部
編集:佐田沙彩花(松竹)
デザイン:石井勇一(OTUA)
イラスト:Chiori Takeda
カリグラフィー:渡辺美里
定価:880円(税込)
『ストレイ 犬が見た世界』
殺処分ゼロの国トルコを舞台に、路上で生きる犬たちと同じ視点から世界を捉えたドキュメンタリー。登場する犬たちの紹介はもちろん、エリザベス・ロー監督のディレクターズ・ノートやインタビューなど読み物がかなり充実で嬉しい。漫画「銀牙伝説」シリーズの高橋よしひろ先生によるコラボイラストも掲載。(machi)
発行日:2022年3月18日
発行:株式会社トランスフォーマー
編集:テレザ
デザイン:大寿美デザイン
定価:800円(税込)
『ニトラム』
前後から読ませるつくり。前半は資料編。ベースとなった銃乱射事件の背景を含む詳解、本国オーストラリアで物議を醸した映画化に臨んだ制作陣の声明文を読めば、本作の重さが伝わってくる。後半は応答編。母子論の第一人者信田さよ子氏ら専門家たちの紐解きは鑑賞後のダメージを和らげてくれるはずだ。(小島)
発行日:2022年3月吉日
デザイン:坂脇慶
編集:山野恵太郎
発行:セテラ・インターナショナル
定価:1,000円
『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~』
本作の主役である信友監督の父・母の写真がコラージュのようにちりばめられ、本編同様に温かさ溢れる一冊。監督は広島県呉市出身ということもあり、片渕須直監督との対談が実現。本作のテーマが「看取り」という事もあり作品を観た人が気になるであろう「看取り・看取られ」についてのガイドも掲載。(鈴木)
発行日:2022年3月25日
編集・発行:アンプラグド
デザイン:大寿美トモエ
定価:800円(税込)
カラー/B5
『KAPPEI』
表紙が三つ折り片観開きのキャラクター紹介という、映画同様に挑戦的な仕様。原作者からの寄稿や監督自ら執筆した6ページ(!)に渡る入魂のプロダクションノートは、いかにしてあのバカバカしさも含めた、原作マンガの完全実写化に成功したかを追えるので必読!(屋代)
発行日:2022年3月18日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:ハルカフェ
オフィシャルライター:平田真人
印刷所:成旺印刷株式会社
価格:820円(税込)
『ポゼッサー』
赤と黄の表裏紙が際立つ。監督インタビューで最後の質問がヤバすぎる。(爆笑)って書かれてるけど、本当に面白すぎ!作品の内容と相反する微笑ましい質問ではあるんだけど。今までこんなこと誰かに聞いたことも聞かれたこともない!(パ)
発行日:2022年3月4日
編集・発行:キングレコード、コピアポア・フィルム
編集:宮田生哉
デザイン:岡崎恭子
定価:1,000円(税込)
『ムクウェゲ「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師』
アフリカの伝統的文様をあしらったカラフルな表紙が目を引く。アフリカの貧困や暴力の横行に我々も決して無関係ではないことを説くムクウェゲ医師のノーベル賞受賞時のスピーチが胸を打つ。コンゴ共和国の歴史をコンパクトにまとめた年表など「まずは知ってほしい」という声が聞こえてくるような一冊。(小島)
発行日:2022年3月4日
発行元:アーク・フィルムズ
編集:伊藤麻衣子
デザイン:秋山京子
写真クレジット:©TBSテレビ
定価:800円(税込)
『アンネ・フランクと旅する日記』
アリ・フォルマン監督のインタビューとは別で経歴に1ページ費やし、その文中には日本のアニメ、マンガに対する並々ならぬ愛情が溢れている。そしてホロコースト記念館理事長の大塚信さん(アンネの父であるオットー・フランクと会ったことがある!)のエッセイが、アンネとキティーの背景を理解する上で非常に勉強になる。(屋代)
発行日:2022年3月11日
編集:ハピネットファントム・スタジオ
デザイン:大寿美トモエ(大寿美デザイン)
印刷所:株式会社二光
価格:800円(税込)
『階段の先には踊り場がある』
もはやインディーズ映画でここまでやるかというクオリティ。
台本の体裁で全ページにわたるシゲさんのトリビアはもちろん、1ページ毎に確認してしまう「ある仕掛け」が、デザインした石井勇一さんらしい要素。「花恋〜」のような圧倒的に知りたい聞きたい情報量をまとめてくれているので、映画を観た後に読んでニヤニヤしてください!(屋代)
発行日:2022年3月19日
編集:大久保渉/菊地陽介
デザイン:石井勇一(OTUA)
編集協力:高橋まりな/茂手木佐和子
価格:1,100円(税込)
『林檎とポラロイド』
劇中で撮影された「新しい自分プログラム」で撮影されたポラロイドがストーリーと一緒に掲載されている他、ケイト・ブランシェット(本作のエグゼクティブ・プロデューサー)とクリストス・ニク監督の対談やコラム2本など、読めば観た者の記憶を呼び戻すように、この不思議な映画をもう一度観たくなるはず。(屋代)
発行日:2022年3月11日
編集:佐藤友紀/井上冴/佐竹康成
デザイン:椚田透(nix graphics)
印刷所:三永印刷
価格:700円(税込)
『ウェディング・ハイ』
『私をくいとめて』で〇anako風のユーモアパンフを作った大九監督の新作パンフは、〇クシィ風の結婚特集誌。式場・ドレス解説をはじめ、『カメ止め』風の式当日タイムライン解説。現場のトリビア紹介など遊び心にあふれているが、監督INVで語る「はいり先生」キャスティング理由など、しっかり遊んでいる映画はしっかり考えて作られていると考えさせられる一冊だ。(岩似)
発行日:2022年3月12日
発行:松竹株式会社 事業推進室
編集:岩田康平(松竹)
デザイン:長井雅子(inC)
定価:850円(税込)
『銀河英雄伝説 激突 第1章』
「アニメ大河」として第3期を迎えた本シリーズだが、パンフの濃さは増す一方。後世の歴史家が英雄伝を振り返る歴史本パートはもちろん、恒例となった原作・田中先生が連載当時を振り返る座談会は1986年を迎え、本編とはまた違う新婚旅行道中は必見。アニメパンフ編集のドン・橋本氏はどこまでファンを楽しませてくれるのか今後のパンフにも期待してしまう完成度だ。(岩似)
発行日:2022年3月4日
発行:銀河英雄伝説 Die Neue These 制作委員会
発売:松竹株式会社 事業推進部
編集:橋本学
デザイン:土井敦史(HIRO ISLAND)
定価:1,200円(税込)
『MEMORIA』
最低限のテキスト要素と、美しいカットで構成された、シンプルで堅実なパンフレット。長年アピチャッポン監督と交流のある市山尚三氏による寄稿では、主演とエグゼクティブ・プロデューサーを務めるティルダ・スウィントンと監督との出会いのエピソードや日本の映画界にも通じるタイ映画の現状、危機感にも言及されていて読み応えあり。(な)
発行日:2022年3月4日
発行:ファイン・フィルムズ
デザイン:峰田久美
印刷:三永印刷
定価:800円(税込)
『アンビュランス』
雑にもほどがある銀行強盗計画!監督の「マイケル・ベイ」と「Mayhem(破壊行為)」を合わせた造語「ベイヘム」にドローン撮影も加わってさらに進化していると伝えるプロダクション・ノートにはLAの街で本当にあった救急車乗っ取りカーチェイス事件や撮影現場となった銀行について興味深いエピソードが書かれてます。(パ)
発行日:2022年3月25日
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:有限会社ダイアローグ
印刷:株式会社久栄社
定価:880円(税込)
『ハングリー/湖畔の謝肉祭』
3カ月連続でTOCANA配給作のパンフを紹介。今月もソフトか配信スルーされてもおかしくないレベルの映画を世界初上映でスクリーンにお届け。しかも、パンフレットまで作ってる。YouTuberとか大学の教授らが寄稿。どんな人選や。来月もTOCANA配給作のパンフを無事に紹介できる平和な世界であるよう祈っています。(パ)
発行日:2022年3月11日
発行:TOCANA
デザイン:伊藤拓希(CYZO.inc)
定価:700円(税込)
『白骨街道 ACT1』
インドとミャンマーの国境地帯で日本兵の遺骨発掘作業に携わる少数民族ゾミ族を写した作品。17分の短編ながら32ページの長編映画と同じくらいギッシリと中身の詰まったパンフ!(パ)
発行日:2022年3月15日
発行:株式会社E.x.N(エクスン)
編集:渡邉一孝+編集研究所
デザイン:村松道代
定価:1,000円(税込)
『ダイナソーJr. フリークシーン』
今年はa-ha、フランク・ザッパ、リンダ・ロンシュタットなど音楽ドキュメンタリーが目立っている気がする。パンフには映画で使われた曲と流れたミュージックビデオのリストが載っているのも嬉しいけど、2021年「Sweep It Into Space」の最新作まで全アルバムの解説付きなのもありがたい。(パ)
発行日:2022年3月25日
編集・発行:キングレコード
レイアウト:岡崎恭子
定価:800円(税込)