映画パンフは宇宙だ!

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2022年1月に公開された映画のパンフ!

2022年1月に公開された映画のパンフレットをPATUメンバーが紹介します!

『ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022』VHSビデオケース型

VHSビデオケース型に場面写真カードが16枚の圧倒的モノ感。BUYとロゴの入った蓋を開けると内側にCONSUMEがあらわれ、箱の擦れ演出、紙模型ビデオテープのラベルの作り込み等、他にもギミックいっぱい。80年代映画へのノスタルジー溢れる装幀で本年度ベスト級。蛇腹の解説は愛ベース。

発行日:2022年1月7日
編集・発行:有限会社ロングライド
デザイン:大島依提亜
印刷:株式会社北斗社
定価:1,300円(税込)

『ハウス・オブ・グッチ』

リドリー・スコット監督インタビューとロンドンプレミアの出演者会見記のほか、映画ジャーナリストの猿渡由紀さん、映画評論家の斉藤博昭さんの寄稿といった内容。中はグッチをイメージさせる赤と緑が所々にあしらわれている。劇中で目を引く、登場人物たちが着こなすファッションの解説が欲しかった!(鈴木)

発行日:2022年1月14日
発行所:東宝株式会社映像事業部
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:石川瑛美(ヘルベチカ)
印刷:成旺印刷株式会社
定価:880円

『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』

理想どおりの完璧なアンドロイドが恋人に、という夢見心地の内容に則した優しい色合いのデザインに加え、劇中の印象的な台詞が添えられた場面写真がロマンチックな気分を盛り上げる。他方で無機質の物体に恋してしまう人間の心情をSF的見地、ロボット工学から解くコラムはまた違う視点を与えてくれる。(小島)

A5変形/縦/カラー/24頁
発行日:2022年1月14日
発行:松竹株式会社事業推進部
デザイン:大寿美デザイン
印刷:株式会社久栄社
定価:880円(税込)

『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』(特別版)

通常版との違いは装幀(裏がポスターのカバー、意匠性の高い表紙)、おまけ(シール、ミニポスター風扉絵)。監督はじめ制作陣へのインタビューが手厚く、本作の意義や細部へのこだわりが窺えてより深く作品を楽しめる。MCUでの位置づけ、アベンジャーズとの関連を解くコラムで世界観が一望できる。(小島)

A4/縦/カラー/60頁
発行日:2022年1月7日
発行所:東宝株式会社映像事業部
編集:株式会社東宝ステラ
デザイン:平塚寿江(東宝ステラ)
印刷:成旺印刷株式会社
定価:1,100円(税込)

『クライ・マッチョ』

映画の舞台を思わせる土色の落ち着いたトーン。プロダクションノートが詳細でトリビア的内容(ロケーション、衣装やセットへのこだわり)も満載。本作で監督50周年40作目を迎えるということで全作品を4ジャンルに分類したコラムからは本作がイーストウッド監督作品の集大成だと改めて感じられる。(小島)

A4/横/カラー/40頁
発行日:2022年1月14日
発行所:松竹株式会社事業推進部
編集:宮部さくや(松竹)
デザイン:飛田健吾(INFINITY I GRAPHICS)
印刷:日商株式会社
定価:880円(税込)

『エル プラネタ』

ソーシャルメディアと現実の虚実を描く本作、キャストがハッシュタグで紹介されている点、場面を切り取ったイラストがユニーク。見せる一方でコミカルな親子のやりとりの裏にあるスペインの歴史や経済事情などを異なる視点から紐解く5本のコラムは読ませる。コンパクトだが作品への理解が深まる一冊。(小島)

A5/縦/モノクロ/36頁
発行日:2022年1月14日
発行:株式会社シンカ
デザイン:成田祐人(SYNCA design)
イラスト:世紀末/WALNUT
定価:900円(税込)

『さがす』

写真のセレクトと使い方がとても素敵な一冊。登場人物たちの際どい瞬間を捉えた表情などから、作品を観て受けた衝撃を再び思い起こすことができる。本作のタイトルロゴと宣伝ビジュアルを制作した、韓国のデザイン会社「PROPAGANDA」のインタビューと、今回制作された6種類のビジュアルも掲載。(鈴木)

発行日:2022年1月21日
編集・発行:松竹株式会社 事業推進部
編集:森岡裕子(松竹)
デザイン:吉川俊彰(PLAINS)
印刷:成旺印刷株式会社
定価:850円

『コーダ あいのうた』

五線譜ノートを模しており、ページ表記にもさりげないセンスが光る。劇中で使用された楽曲解説やコラムの人選も素晴らしく、映画の内容をしっかりフォローしており、最後の写真に込められたルビーのメッセージと併せて、私たちをいつまでも映画の余韻に浸らせてくれるだろう。(屋代)

発行日:2022年1月21日
発行所:東宝株式会社映像事業部
編集:東宝
デザイン:大島依堤亜 中山隼人
印刷:日商印刷株式会社
定価:880円(税込)

『ライダーズ・オブ・ジャスティス』

そんな事まで!?と言いたくなるほど、痒いところに手が届くキーワードや、作中に登場するロケーション解説が秀逸。お陰でレナートがついていた一世一代の嘘の規模が理解できる(笑)他にも21世紀の北欧のバイカーギャングの社会的背景や、臨床心理士からみるROJ解説などコラムも充実。(屋代)

発行日:2022年1月21日
編集・発行:クロックワークス
デザイン:ドラゴンフライ
定価:880円(税込)

『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』

監督が「ニューヨーカー」誌にどれだけ影響を受けてきたのか、また、本作にインスピレーションを与えた実在の編集者や記者などを敬愛し、その全てが監督の中を通ってどう作品世界に落とし込まれたのかがよくわかる。出演者からは、オーウェン・ウィルソンとティモシー・シャラメのインタビューが掲載。(鈴木)

発行日:2022年1月28日
発行・編集:株式会社ムービーウォーカー
編集:下田桃子、杉原苑子
デザイン:塚原敬史、岩間亮平(trimdesign)
印刷:大洋印刷株式会社
定価:840円

『真夜中乙女戦争』

スタイリッシュな表紙が印象的。メインキャスト3人の美しい写真、衣装やプロダクトデザイン、音楽の解説と、作品の世界観を体現したパンフになっているのが嬉しい。コロナ禍において23稿まで書き換えられたという台本の過程の一部と解説が掲載されており、資料としても読み応えがありました。(な)

発行日:2021年1月21日
発行権者:(株)KADOKAWA
編集:(株)ムービーウォーカー
高瀬佐知子(ムービーウォーカー)、望月麗奈(サンクレイオ翼)
デザイン:SA-TO
印刷:三永印刷(株)
定価:1,200円(税込)

『グレード・インディアン・キッチン』

B5サイズ24ページで、インドのケーララ州を舞台にした本作の文化背景をしっかり学ぶことができる。文化人類学者・古賀万由里さんによるコラムやマラヤーラム語映画の歩み、トリビアや劇中に登場する料理解説も写真豊富に掲載。作品への理解が深められる充実した内容になっている。(machi)

発行日:2022年1月21日
編集・発行:SPACEBOX、フルモテルモ
デザイン:中野香
定価:800円(税込)

『決戦は日曜日』

マットコート加工の表紙に無線綴じという気合の入った装丁で、内容も池上彰さんの寄稿や、選挙コンサルタントの渡辺強さんによる選挙用語解説など、鑑賞中の不明点を丁寧に補足してくれる。その上で巻末に掲載されているシナリオを読み返すと、劇中の選挙戦がスラスラ理解できる。(屋代)

発行日:2022年1月7日
編集・発行:クロックワークス
デザイン:大寿美トモエ
印刷:株式会社翔美
定価:900円(税込)

『フタリノセカイ』

監督インタビューの他にも、主演の片山友希と坂東龍汰の対談やスタッフの座談会など、テキスト面では制作陣のトークが中心。フィルムコミッション色が強い映画パンフお馴染みのロケ地マップや、LGBTQの活動団体の紹介など、観た人が感じた何かに応えてくれるヒントが満載。(屋代)

発行日:2022年1月14日
編集・発行:株式会社キネマ旬報社
発行承認:アークエンタテインメント株式会社
編集協力:高木真寿美
デザイン:石原未波(ギグリーボックス)
定価:800円(税込)

『サンダーバード』[A4定型]

もはや大百科。ファンの思いで作られた本作らしく、メカ&キャラ紹介等しっかり掲載。55年に及ぶ歴史も24ページも割いてまとめられており初心者にも親切仕様になっている。デザインは『モータルコンバット』の伊藤氏。『モーコン』同様、無駄に知識量満載なのは復活を待っていたファンにむけたラブレターなのか。(岩似)

発行日:1月7日
編集・発行:松竹株式会社 事業推進部
編集:渡辺洋三(ロンデマンド)
デザイン:伊藤正治
印刷:日商印刷株式会社
定価:1,800円

『ノイズ』(A4定型)

ミステリ映画らしく全容解説はもちろん、本編で明言されない犯行の動機が記されている答え合わせ系パンフだ。漫画から実写にする過程も面白く、警察監修・古谷氏の踏み込みすぎた解説は是非読んでほしい。デザインは『るろ剣』シリーズの冨岡氏。赤いパンフオリジナル表紙から、ノイズ感が伝わってくる仕様だ。(岩似)

発行日:2022年1月28日
編集・発行:松竹株式会社 事業推進部
編集:岩田康平、湯木久雄
デザイン:冨岡祥雄
印刷:成旺印刷株式会社
定価:850円(税込)

『クレッシェンド』(B5定型)

国境対立と音楽をテーマにしたメッセージ性の強いパンフ。楽曲解説他、実際に民族間で活動する指揮者・柳澤氏のレビューは必読で、本作の真のメッセージを浮き彫りにしてくれている。デザインは有吉氏。『アーニャはきっとくる』など歴史系パンフを多数こなす歴女デザイナーで、今作の図解付きの解説も美しい。(岩似)

発行日:2022年1月28日
編集・発行:松竹株式会社 事業推進部
編集:宮部さくや
デザイン:有吉美佐子
印刷:株式会社久栄社
定価:880円

『こんにちは、私のお母さん』

何故バレーボール大会なのか?劇場で上映されてた映画は何?中国の伝統的話芸「相声」とは?細かいけど気になるキーワードも解説してくれている。寄稿では映画ジャーナリスト・徐昊辰さんが中国で大ヒットした要因を分析。表紙のタイトルは原題で表記されてるのも日本語とは違う趣きで◎。裏表紙にも注目!(パ)

発行日:2022年1月7日
発行:ハーク
編集:金恵玉
編集協力:飯塚恵美
デザイン:秋山京子
定価:700円(税込)

『ジギー・スターダスト』

日本初公開以来、何度もリバイバル上映され、その度にパンフが発売されている根強い人気の作品。今回はボウイ生誕75周年&「ジギー」誕生50周年記念版。俳優・中島歩さんの「僕の親戚は法事後のカラオケでを合唱します」から始まる自身のボウイ遍歴を語る記事が面白いです。(パ)

発行日:2022年1月7日
編集・発行:オンリーハーツ
編集協力:伊勢京子(アイズ)
デザイン:鈴木卓(豚)ボンジュール
定価:800円(税込)

『シルクロード.com 史上最大の闇サイト』

かつて存在した闇サイト「シルクロード」をめぐる実話。読み物は映画検定1級・松崎健夫さんによる『野良犬』や『砂の器』などの刑事物の古典を引き合いに見方を180度変えてくれるレビュー、ダークウェブの著作がある木澤佐登志氏のコラム。レイアウトは『search/サーチ』のパンフを連想させるブラウザ画面を模したデザイン。(パ)

発行日:2022年1月21日
編集・発行:株式会社キネマ旬報社
発行承認:博報堂DY ミュージック&ピクチャーズ
編集協力:山元明子(ヘルベチカ)
デザイン:樫原康典、壷井なぎさ(33 inc.)
定価:700円(税込)

『スティルウォーター』

オクラホマ州スティルウォーターから娘の無実を証明するために留学先のマルセイユを訪れた男。ここで一句「フランスに ネルシャツ着た人 いないのか」。この異国の地で戸惑う系映画の監督は「スポットライト 世紀のスクープ』を手がけたトム・マッカーシー。出演者インタビューにマルセイユに纏わる映画エッセイなど手堅い内容のパンフです。(パ)

発行日:2022年1月14日
発行所:東宝株式会社映像事業部
編集:東宝ステラ
編集協力:株式会社アイ・プランニング
デザイン:山本廣臣(東京リスマチック株式会社)
印刷:成旺印刷株式会社
定価:880円(税込)

『シークレット・マツシタ/怨霊屋敷』

8年も前のペルー産ホラー映画を掘り起こして、公開してくれているのは誰だ?お買い得な600円パンフでお馴染みTOCANAだ!同じ「松下」苗字の方から寄せられたコメントや人食べカエルさんの140字を超えるレビューに加え、監督の口から昨今のペルー映画事情が語られたり、まじめに不真面目な内容で大推薦!(パ)

発行日:2022年1月21日
発行:TOCANA
定価:600円(税込)

【2021年公開映画のパンフも紹介】

『旧グッゲンハイム邸裏長屋』

神戸市にある築100年を超す洋館「旧グッゲンハイム邸」を舞台にした映画。昨年のアンケートで1票あったパンフというかレシピ本(仮)。シネ・リーブル神戸1館のみの公開から今年4月に新宿テアトルから全国順次公開が決定。映画パンフに掲載されたレシピの料理だけを食べている身としてはバリエーションが増えて助かります。限定動画のおまけQRコード付き!(パ)

発行日:2021年3月19日
編集:旧グッゲンハイム邸裏長屋住人一同
撮影:ちいこ、旧グッゲンハイム邸裏長屋住人一同
編集長:川瀬葉月
デザイン:平野拓也
イラスト:旧グッゲンハイム邸裏長屋住人一同
定価:880円(税込)

『街は誰のもの?』

鮮やかな緑の表紙が特徴的なのはブラジルのストリートカルチャーを捉えたドキュメンタリー『街は誰のもの?』のパンフレット(プロダクションノート)。阿部航太監督自ら執筆した4万字にのぼる内容はポルトガル語を学び始めるところから始まり、映画に登場する人たちとのブラジルでの邂逅から帰国までが綴られた紀行文としても面白い!ブラジルのグラフィティがまとめられた別冊もあります。(パ)

発行日:2021年12月11日
発行:Trash Talk Club、
執筆・編集・デザイン:阿部航太
編集協力:Trash Talk Club、児玉美香
定価:770円(税込)

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