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【TIFF6日目レポート5】棺と共に歩く『クローブとカーネーション』

文=パンフマン

難民映画祭は今年で17回目を迎える。来月12月にオンラインと東京での開催が予定されている。その名の通り紛争や迫害で故郷を追われた人たち、いわゆる「難民たち」にスポットライトを当てている。今年一般公開された『FLEE フリー』『マイスモールランド』『ムクウェゲ「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師』なども上映が予定されているようだ。

『クローブとカーネーション』も年老いた難民の男が孫娘を連れ、亡妻の遺体の入った棺桶を引きながら帰国を目指し歩き続けるというストーリーで、この難民映画祭で出合っていてもおかしくはない作品であった。トルコ生まれの監督の祖父もいつも自分の生まれた土地で最期を迎えたいと言っていたそうだ。棺桶を連れているためか、周囲の人から受ける反応が2人の人間だけで歩いている時とは異なる。道中出会う人々には基本的には親切ではあるが、時々話が噛み合わないこともある。棺桶の使われ方が印象的なシーンもあって驚かされた。ポスタービジュアルにもあるとおり、棺桶を連れている点において、本作は際立ったロードムービーとなっている。

タイトルにもある2種類の植物は劇中で印象的な使われ方をしているので、注目してほしい。

35thTIFF 2022/10/30

作品情報

原題:Cloves & Carnations
監督 :ベキル・ビュルビュル
キャスト:シャム・ゼイダン、デミル・パルスジャン
予告編はこちら

妄想パンフ

主演の2人へのインタビュー、今回のQ&Aで聞けなかった撮影の裏話、タイトルにもなっている2種類の植物の意味、難民が生まれる背景などを解説するページが欲しい。

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