映画パンフは宇宙だ!

MAGAZINE

「企画」という荒野の一本道を進む者の心得 ~PATU講座第1回目 企画の立て方~

文=竹美

第二期メンバーも入って人数が増えた「映画パンフは宇宙だ」では、10月に入り、合計4回の講習会が実施されました。第1回目は企画の立て方について。

まずは、大まかな企画の区分として、①映画パンフレットという文化の継承・発展・発信に寄与するという目的のものと、②映画パンフレット的な刊行物の制作という二つの大きな軸があるという大枠について再確認しました。次に、内部的な手続きについての説明と共に、「企画リーダーがやるべきこと」についての話題。最後は「企画リーダーはかくあるべし」というお話になり、実際にPATUで企画リーダーになったメンバーからの体験談を聞きました。

チームリーダーとして企画を立て、チームを盛り上げ引っ張ってゆき、最終的に「みんなが読みたいと思うもの」を完成に持っていくまでは…熱意があればあるほど、自分の中で確信が揺らぐ夜だってあると思うし、想像するだけでもウウウウウと頭を抱えてしまう…(白目)。

今『ヘルレイザー』(1987年/クライヴ・バーカー監督)のサントラ聞きながら書いてるので、荒野の一本道をつき進む狂気の馬車みたいなゴシックホラー感が頭の中で出てきたわ…びゅおおおお…「地道な作業を一人でこつこつやるのが活動のメイン」…「我らは陰キャの集まり」…「己が向かう先が見えぬときもあろう」…吹きすさぶ風に紛れ、切れ切れに賢者メンバーの声が聞こえるわ…これがクライヴ・バーカーの言う死者の道かしら…私、今どこ…

また、「リーダーは暴走しちゃっても大丈夫!何かおかしかったら誰か止めてくれるから!」という言葉もよかった。そうよね…荒野の一本道を一人で突き進んでいても時折旅の仲間と合流したり、闇の手のものに出くわしたりするみたいなもんね。

でも意外だったけれどもちょっとほっとしたのは「最初のモチベーションを保つ」ことが案外難しいんだということが分かったことでしょうか。私自身、飽きっぽくて興味がすぐ目移りする方なため、「一つのテーマをこつこつ掘り下げ、形にする」ということに苦手意識を持っています。あくまで私のことですが、自分の自信の無い考えや弱点が露呈するのが恥ずかしいという気持ちが先立つと、手が止まってしまうんですね。まあ結局、掘り下げが足りないだけなんだけど。

「人がどう思うか」以上に「これが好きなの!!」というとき…レリゴーしてるときは、お城から飛び出し、「ありのままの姿見せるのよ」と歌いながら雪原を疾走するわけですが…遠くに来たつもりが自宅の裏山くらいまでしか来てなかった、つまりあまり広がらない企画なのだと途中で気が付いちゃった(エルサ姉さん1時間後にしたり顔のアナに肩ポンされて愕然)とか、他のメンバーから自分では思いもしなかった視点を投げかけられた(サウナシーンでのクリストフの体臭ヤバそう)とか、やっぱり心理的な側面で立ち止まってしまうことがあると思う。そのときは、立ち止まってしっかり考えたらいいのだし、やはりリサーチと企画の検討が重要なのですね。

過去の企画リーダーからも出てきた「常にアンテナを張る」ということに尽きると思います。「これをやれば・この人に原稿お願いすれば面白くなるだろう」という思いつきというのは大体根拠が無いので、調べたり、先駆者の言葉や動きを見たりしながら、自分の思いつきの「確からしさ」を高めていく必要があります。そして、そうやって工夫することが、自分の中に新たなモチベーションを生み出していくのだと思います。

企画って『ロード・オブ・ザ・リング』みたいね。だから旅の仲間が必要なのよ…でもね、あんな冒険したのに村に帰ってビール一杯引っかけたら直ぐにフロド様との熱い過去を忘れてしまったサム…火山の山麓であんなに愛し合ってたのに…だからフロド様は西の海に旅立ったのよ…

今私も1件、今度こそはと思って仕込みに関わっている企画があります。焦らず、旅の仲間と共に地道に荒野を進んで行こうと思います。

ありのままの姿見せるのよ(やめれ)

びゅおおおおお

Share!SNSでシェア

一覧にもどる